サイゼリヤ、バイト女性「セクハラ」自殺の謎 彼女が遺した詳細な日記が示すのは…
日記からは、半年以上も抵抗したが、副店長に何度もアパートに上がり込まれ、性交を強要されたことが読み取れる。
「ただの上司と部下の関係がよかった。師弟関係に戻りたいです。お願いします」
自死を選ぶ2カ月前の日記だ。しかし、副店長は応じなかった。実父は言う。
「娘にとっては初めての男性経験だった。普通の恋愛ならともかく、向こうに妻子がいて不倫だけは絶対にだめだと。それでも言い寄られ続けてそういう関係になってしまったことを後悔して、元の師弟関係に戻りたいと願う娘に『一緒に死のう』なんて、一番言ってはいけないことではないですか。誰か一人でも店のスタッフが本気で副店長に注意をしていてくれたらこんなことにならなかったはずです」
順番が納得できない
裁判では副店長の態度は一変。「訴訟記録の中に閲覧制限が多い」などの理由で被告側の書証は開示されなかったが、実父によると、心中を持ちかけたことを否定し、女性のほうが交際に積極的だったなどと証言しているという。事実確認などを求めた本誌へのサイゼリヤ広報の回答は、「係争中の事案であるためコメントを差し控えさせていただきます」だった。
女性の実父は社寺の建具や仏具を手がける職人だ。娘のための仏壇は人に任せたくない。
「部品は全部作ったんですが、どうしても組み立てられない。位牌も作ったのに出せない。線香一本上げる気になれないんです。死ぬ順番が、納得できない。娘には普通の恋愛をしてほしかった。彼氏ができたら紹介してもらって、酒の一杯でも飲みたかった」
(編集部・大平誠)
※AERA 2017年11月27日号
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