東京モーターショーは本当に衰退したのか 来場者や出展企業だけで語るのは寂しい話だ
10月27日(金)から11月5日(日)まで10日間にわたって東京・有明の東京ビッグサイトで一般公開された「第45回 東京モーターショー2017」が閉幕した。
今回の総来場者は77万1200人。前回(2015年)の81万2500人に比べて約5%、約4万1000人の減少となった。一般公開日直後の週末に台風22号が関東地方を直撃したことを考慮すると、天候さえよければ前回を上回ったか、あるいは減少幅はもうちょっと少なかったかもしれない。
とはいえ、かつては1990年代に入場者200万人オーバーを記録。同150万人時代が続いた自動車イベントだ。今回はアメリカやイギリス、イタリアなどの海外メーカーの出展取りやめも少なくなかった。これらを題材にして「東京モーターショーの衰退」「クルマ離れは解消せず」などという論調の報道もあるだろう。
国際的にみれば、健闘している
ただ、これだけでショーそのものの活気やクルマ人気を語るとしたら寂しい話だ。ステレオタイプな斜に構えた見方ともいえる。世界と比べてみるとそもそも100万人を超えるメジャーなモーターショーはパリくらい。あのフランクフルトショーや北京ショー、デトロイトショーも81万人である。東京モーターショーは国際的にみて、むしろ健闘しているといってもいい。
出展企業の変化も東京モーターショーに限ったことではない。筆者は長年、世界のモーターショー取材を行っているが、主要自動車メーカーがすべて出そろうのはスイス・ジュネーブショーくらい。アメリカのデトロイトショーやドイツのフランクフルトショーですら出展を辞退する自動車メーカーも存在する。
PRの場も「選択と集中」の時代に入っている。一方、アメリカ・ラスベガスで開かれる世界最大の家電見本市「CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」やイギリスのグッドウッド、アメリカのペブルビーチといったモーターショー以外のイベントを重要視する自動車メーカーも増えている。日本でも近年はアジア最大の家電見本市「CEATEC JAPAN」(シーテックジャパン)で自動車メーカーの姿も目立っている。
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