「100円稼ぐのに10万円も掛かる路線」がある JR東海・JR西日本の営業係数を独自試算
いま挙げた特例によって、何とか他社並みの営業係数が得られた在来線は何かと肩身が狭い。そのようななかにあって、86.9の東海道線、90.6の中央線、101.0の関西線の3路線の好調ぶりは特筆される。
3路線の列車の多くは名古屋駅を発着するという点が共通しており、東海道線では岡崎―大垣間、中央線では土岐市―名古屋間、関西線では名古屋―河原田間と、名古屋駅を中心とする半径40km以内を指す中京交通圏に含まれる区間のデータが公表されていれば、さらに良好な営業係数を挙げたであろう。
武豊線は黒字化できるか?
営業係数は177.3とはいえ、武豊線の成長ぶりも目を引く。旅客運輸密度が1万人を超えれば営業利益を計上する路線への変貌も可能と思われるのだが、いかがであろうか。『平成26年版都市交通年報』(運輸総合研究所、2017年6月)によると、残念ながら武豊線の輸送人員は2010年度の706万人をピークに減っており、最新の統計年度の2012年度には698万人となってしまった。
再度増加に向かうのか、このまま減少を続けるかで試算される営業係数も今後変わってくるであろう。
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