総選挙に向け緻密に計算された?福田首相の辞任、問われる民主党の実力

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総選挙に向け緻密に計算された?福田首相の辞任、問われる民主党の実力

民主党参議院議員・藤末健三

9月2日夜、福田総理が突然「辞任」を表明した。ちょうど、韓国から羽田についた私はただびっくり! ニュースは「誰も知らない中での突然の辞任」と報道していたが、私は「用意周到に計画された辞任。このまま解散総選挙になるな!」と考えた。

今、自民党は、
1.公明党の考えに従い(自民党は小選挙区で公明党の応援がないと勝てない人が多い?)
2.また、さまざまな政治的問題(年金や医療などの問題が山積み)から目をそらし、自民党の支持率を上げる

が求められている。

これらの条件を満たすのは、年内選挙で、国会で審議をせず、イベント(総裁選挙)で盛り上げるしかなく、福田総理の辞任はまさしく絶妙のタイミングだ。このシナリオを組んだ人はすごく賢いにちがいない! まさに「劇場型政治」の再来を狙うシナリオ!

■注目を集める総裁選挙

このシナリオのポイントは「自民党総裁選挙にマスコミの関心を集めまくり、自民党が変わったと見せること」につきる。それは今までは成功しています。

実際に、辞任翌日9月3日のお昼に有楽町で民主党の仲間で街頭演説を行ったが、取材に来たマスコミはたったの1社。ほとんどのマスコミは自民党総裁選挙に引きつけられた。(上の写真)

候補者乱立で茶番だとの批判はあるが、マスコミの目は総裁選挙に集まっているのは紛れもない事実。「さすが自民党!もしかしたら公明党がシナリオを書いた?」とも考えた。

■民主党は自民党との差別化を!

自民党劇場は成功しつつある。

では筆者が所属する民主党はどうすべきか? 筆者は2つの柱があると考えている。

まずは、官僚が政策を書いている自民党ビジョンを持って政治家自ら政策を書いている民主党との違いを見せることだ。例えば、天下り全廃や政治家を100人政府に送り込むなど官僚ではかけない政策、つまり官僚にコントロールされた自民党ではいえない政策を国のためにどんどん発信すべきだ。

  そして、政権を取ったら100日間で何をするかという"ロードマップ"を示すべきだ。税金の無駄使いの徹底的な洗い出し、揮発油暫定税率の廃止(ガソリンが約25円安くなる)、道路特定財源の医療や年金などへの移し変え(一般財源化)、後期高齢者医療制度の廃止、年金制度と社会保険庁組織の立て直し、障害者自立支援法の改正、オーナー課税の廃止などをいつまでに行うかを明確にする。有権者に政権が交代したら、どのように生活が変わるかを、実感してもらうのだ。

また、「自民党=コップの中の茶番」と定義し、「民主党=一致団結し国民の意見を拾う」とのイメージを作るべき。具体的には、(1)若者と小沢代表の居酒屋談義:次の総選挙は都市部+若者/女性が鍵だ。その層の10人くらいと有楽町のガード下で代表が話をさせていただく。(2)大塚耕平、松井孝治、鈴木寛など民主党の論客による政策解説をネットで流す。(3)雑誌に代表から党の政策を流す。若者には、最低賃金の見直しや正規雇用化などを具体的に訴えることができれば、大きな動きを生める。このようなことを、現在、党内で訴えている。

■とにかく、総選挙=大政奉還を!

今の自民党は幕末の江戸幕府と似ている。

多くの課題がある中でなにもできずに将軍を入れ替え、それも江戸幕府内で勝手に将軍を決めている。

今、世界的な不景気が始まっていると言われ、物価の上昇で企業経営や家計は大変な状況である。それにもかかわらずのんきに「自民党(幕府)の内輪で総裁(将軍)選び」をやっている場合だろうか?

まずは、大政奉還、つまり政権(大政)をわが国の主権者である国民に奉還し、有権者の意思を総選挙で問うべきだ。きちんと総選挙で総理大臣を選ばなければ、明確なリーダーシップを発揮できる総理大臣は誕生しなしい。

民主党が総選挙に勝てば、いわゆる「ねじれ」はなくなる。そして、すでに民主党が出している様々な法案がそのまま成立する。そうなれば、国民の生活は大きく変わる。

例えば、道路建設しか使えない揮発油暫定税の廃止、高速道路の無料化、後期高齢者医療制度の廃止、社会保険庁と国税庁の機能を統一した歳入庁の設置、特別会計の無駄使いの全廃などが行われたら目に見えて社会は変わっていくはずだ。これらの政策を是非とも実現したい。

政策を国民に届け、支持してもらうことができるか。民主党の力が試されている。



次の自民党総裁は、大政奉還した徳川慶喜か?
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