ソフトバンクが出資攻勢を掛けられるワケ しぼむ新興企業の上場意欲
[ラグナビーチ(米カリフォルニア州) 19日 ロイター] - 新興ハイテク企業の新規株式公開(IPO)市場が今年再び活発化するのではないかとの期待がしぼみつつある。これらの企業に対して、ソフトバンク<9984.T>や中東諸国などの投資基金から多額の資金が流入しているためだ。
資金が潤沢な各投資資金の出資を受けた新興ハイテク企業は、多くの上場企業より規模が大きくなってもなお、非公開状態を維持し、IPOに伴うわずらわしい手続きは御免こうむるという態度を取ることができるようになった。
IPO件数は急減
今週開かれたウォールストリート・ジャーナル紙の会議で、ロイターが取材したベンチャーキャピタリストや起業家、IPO専門家、合併・買収(M&A)仕掛け人などはいずれも、新興ハイテク企業のIPO件数が驚くほど少ないことを話題にした上で、ソフトバンクなどが新興企業の資金調達の構図を変えていると指摘した。
ライトスピード・ベンチャー・パートナーズの投資パートナー、ニコル・クイン氏は「新興企業が(出資の正式な申し込みを記した)タームシートを10枚手に入れたとしても不思議ではない」と話した。
その結果、特にミューチュアルファンドなどが非公開ハイテク企業への投資を拡大した2014年以降、IPO件数は急減している。
過去数週間ではスイッチ<SWCH.N>やモンゴDB<MDB.O>などがIPOを実施し、フォースカウトなどいくつかの案件も控えている。