小池にはまった「どんぐり」たちの大変な末路 元の木阿弥?「希望の党」崩壊で民進再結集か

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40人を超す大所帯の参院民進党は小川敏夫議員会長が早々と「民進党再結集論」を打ち出すなど選挙後の希望合流には否定的。最終的に両院議員総会で否決されれば合流は白紙に戻り、民進党は存続することになる。まさに「元の木阿弥」だ。 

その場合、前原氏は代表を辞任したうえで離党し、希望に入党するしかなくなる。そうした手続きが終わらないと希望の党の全陣容は固められず、小池代表の進退や首相指名候補決定もその後に協議するしかないのが実情だ。その一方で、民進党存続が決まれば、両院議員総会で新代表選出の必要があり、党籍維持を前提に代表経験者の野田、岡田両氏と参院議員の蓮舫氏のいずれかが代表再登板となるとのシナリオがささやかれ始めている。

さらに、選挙後の民進党と立憲民主との連携も浮上しつつある。一躍「リベラルの星」となった立憲民主の枝野代表は民進存続の場合の統一会派結成に意欲的とされ、選挙戦でも野田、岡田、蓮舫各氏が民進系無所属や立憲民主組への応援活動を活発化させている。野田氏ら無所属組の多くが民進党を存続させて立憲民主と組めば衆院勢力(会派)は希望を圧倒し、最大野党として自公政権と対峙する構図が出来上がる。その場合、副議長や野党にも配分される特別委員長など国会役員も「立憲・民進組」から選出される可能性が高い。その時点で希望は、維新と同様にいわゆる「ゆ党」(50音での「や(野党)」と「よ(与党)」の間)という中途半端な存在となりかねない。

選挙後に「希望離党、民進復党」を狙う動きも

すでに、そうした事態を想定してか、当選有力な民進出身の希望公認候補の中には選挙後の「離党、民進党復党」を狙う動きも出始めているという。民進党が今回衆院選に候補者を出さなかったことで、ルール上は希望公認での当選者は小選挙区、比例を問わず、選挙後の離党・復党が可能だからだ。前原氏は「民進再結集は政治不信の極み」と怒るが、希望の失速が際立つにつれ「短期的には失敗だといわれるかもしれないが、私はやり続ける」と孤立感をにじませている。

年配者の誰もが口ずさめる童謡・どんぐりころころの1番の歌詞は「どんぐりころころ ドンブリコ お池にはまって さあ大変 どじょうが出て来て こんにちは 坊ちゃん一緒に 遊びましょう」だ。「存続民進党」の代表候補とささやかれる野田氏のあだ名が「ドジョウ」なのがなにやら暗示的でもある。そして、2番は「どんぐりころころ よろこんで しばらく一緒に遊んだが やっぱりお山が恋しいと 泣いてはどじょうを 困らせた」と続く。

選挙結果が判明する22日深夜まであと約90時間。小池氏はパリの空の下で、そして前原、野田両氏ら無所属組は地元選挙区で結果を見守ることになる。自民党本部での首相の笑顔が大写しになる中、小池、前原、野田各氏ら選挙戦の一方の「主役・脇役」の言動に神経をすり減らすことになりそうな「どんぐり」たちにどんな末路が待っているのだろうか。
 

泉 宏 政治ジャーナリスト

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いずみ ひろし / Hiroshi Izumi

1947年生まれ。時事通信社政治部記者として田中角栄首相の総理番で取材活動を始めて以来40年以上、永田町・霞が関で政治を見続けている。時事通信社政治部長、同社取締役編集担当を経て2009年から現職。幼少時から都心部に住み、半世紀以上も国会周辺を徘徊してきた。「生涯一記者」がモットー。

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