思い出す小渕元首相、次期首相は度量と生き方が問われる

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
思い出す小渕元首相、次期首相は度量と生き方が問われる

塩田潮

 福田首相の辞意表明の5日前の8月27日、1週間後のいま、「時の人」となっている小池百合子元防衛相にインタビューした。
 「自民党の低迷・苦境脱出には何が必要か」と聞くと、「去年の参院選の敗因だけでなく、二〇〇五年の総選挙の勝因をもっと議論すべき」と、小泉組・上げ潮派らしい答えが返ってきた。麻生太郎幹事長や石原伸晃元政調会長と並ぶ首相候補だが、「女性初の首相」の人気で低迷・苦境脱出というのが小池待望勢力の下心である。他方、「自民党もそこまで落ちぶれてはいない」という声も党内には根強い。

 人気先行型だが、小池氏は見かけによらず「剛の人」だ。防衛相のときは問題事務次官の首をはねた。本人も「直球一本勝負」と訴える。「無為無策・優柔不断・曖昧模糊」と不評だった福田首相の後だから、「剛」イメージの小池氏は人気を博して自民党の救世主になるかもしれない。今回の総裁選びは「次期総選挙での大敗・野党転落阻止」が最大の選出基準で、もう一人の麻生幹事長も含め、「人気」が決め手となるのは間違いない。

 だが、それ以上に、二代続いた「放り投げ首相」を出さないためには誰を担げばいいかという尺度を自民党は重視すべきだ。
 なぜ放り投げが続くのか。「世襲政治家の脆弱さ」も原因の一つだが、結局、ねじれ国会の壁を突破できず、手詰まり、八方塞がりに陥るからだ。仮に「人気首相」で次の総選挙をしのいだとしても、「野党支配の参議院」はすぐには変わらない。過去を振り返ると、同じような状況で、低迷と苦境を承知の上で政権を担い、就任後に手詰まり、八方塞がりに陥らなかった自民党首相がいた。1998年登場の小渕元首相だ。武器は「なんでも飲み込む真空総理」と「低い重心」だった。

 苦労人タイプではない麻生氏や小池氏、石原氏らにその度量と生き方が備わっているかどうか。
塩田潮(しおた・うしお)
ノンフィクション作家・評論家。
1946(昭和21)年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
処女作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師-代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤の真実』『日本国憲法をつくった男-宰相幣原喜重郎』『「昭和の怪物」岸信介の真実』『金融崩壊-昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『出処進退の研究-政治家の本質は退き際に表れる』『安倍晋三の力量』『昭和30年代-「奇跡」と呼ばれた時代の開拓者たち』『危機の政権』など多数
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事