ブルーボトルが「ネスレ」を選んだ決定的理由 来日した創業者とCEOに直撃!

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――従業員にはいろいろなメッセージを出したのですね。

フリーマン:ものすごくたくさん。かなりコミュニケーションを図った。まず、報道が出る前にすべての従業員に知らせた。それはすごく大事なことだから。それから、ブライアンや私がメールを送ったり、「よくある質問(FAQ)」形式のメモを送ったり。その中には、顧客から出資について質問があった場合、どう答えるかというのもある。顧客の中には、今回の件を心配している人もいるからだ。

ミーハン:こういう発表があった場合、CEOやオペレーションも一緒に変わるというのはよくあることだ。だが、私たちが伝えたのは、ネスレから出資は受けるが、ブルーボトルは独立したままだし、ジェームスも井川さんも私もそのまま経営陣として残り、何一つ変わらないということだ。

ネスレのCEOからは、「ブルーボトルのビジネスに関与したくて出資したわけではない。君とジェームスにビジネスを続けてもらいたいし、そうしてもらうことが私たちにとっても重要だ」と言われている。

マンハッタンに9月だけで4店オープン

――日本では来月に東京・三軒茶屋、来年には京都に出店します。米国でもマイアミやボストンに進出するなど、すごい勢いで出店しています。

フリーマン:確かにそう感じるが、ここまでずっとそうだった。つねに、自分あるいは、私たちがこなせるより早いペースで出店をしているように感じてきた。

ミーハン:その点で、私たちはすばらしいチームに恵まれている。先日もニューヨークのワールドトレードセンターに出店をしており、今月はマンハッタンだけで4店舗オープンする予定になっている。2月に、ブルックリンに1万4000平方フィート規模の焙煎所や(バリスタ用の)トレーニング施設を開設したことで、新しい店舗に必要なコーヒーを焙煎したり、人を訓練できるようになったことが大きい。

――ネスレの出資によって出店が加速することは。

ミーハン:それはない。店舗をまかせられるスタッフやバリスタ、それから店舗デザインができる建築家や施工会社がそろって初めて出店ができるわけだから。いきなり500店出すといったことは考えられない。

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