ブルーボトルが「ネスレ」を選んだ決定的理由 来日した創業者とCEOに直撃!
――ジェームスさんは以前、新しい店舗をオープンする際は、その候補地を自ら見に行くと話していましたね。
フリーマン:すべてには足を運べていない。が、ありがたいことにブライアンは、とてもいい不動産を見つける能力に長けていて、これまでオープンした場所にはほとんど最初に訪れてくれている。ただ、最近はそのブライアンでさえ「全部まわれないかも」と言い始めているんだけどね(笑)。今回、日本でも3都市をまわっていろいろ見る予定だ。
――これまで、出店数の目標などを出したことはありませんが、今後もそのスタンスは変わりませんか。
フリーマン:変わることはないだろうね。
目標数字を掲げるのはブルーボトルらしくない
――いいところがあったら、開店したいタイミングでオープンすると。
ミーハン:ネスレが大株主になったことで、これまで以上にそうなるだろう。ネスレ側からは、出店のプレッシャーはまったくかけられていないから。私たちにかけられているプレッシャーといえば、いいコーヒー、そして、すばらしい顧客体験を提供することだ。これはこれで数とは違うプレッシャーなんだけど。たとえば、2020年までに何店舗オープンするという目標を立てることは、まったく「ブルーボトルらしくない」ことだ。
――傘下に入ることで、変わることと変わらないことは。
フリーマン:コーヒーの味が変わらないとも言えないし、店での体験が変わらないとも言えない。なぜなら、現状維持がいいとは思っていないからだ。が、重要なのは、こうした変化が起こるかはブルーボトル次第であるということ。ネスレからは、何か特定の材料を使えとも、コーヒー豆を変えろとも言われていない。もちろん、「クランチ」を店で出してほしいとも言われていない(笑)。私たちのカフェの在り方が変わることもない。
――ちょっとやそっとでは使い切れないほどおカネがあると思いますが、具体的に何に使っていきますか。
ミーハン:先ほどから話しているように、店舗開発やコーヒー豆の調達、雇用、従業員の昇格などに使いたいと思う。さっきも、そろそろサステイナビリティ担当のディレクター職を設けたいと話していたところだ。
今でも、コーヒー栽培者をまわる担当者がいたり、栽培者間でベストプラクティスを共有できるように監査をしてくれるヘルパーがいるが、企業が大きくなるにつれて、多面的に責任も増している。なので、デリシャスネス(おいしさ)、サステイナビリティ、ホスピタリティというそれぞれの分野において人を雇いたいと考えている。すべての面において「カイゼン」を進めないといけない。店舗での体験については、沙紀が最近、米国を含む全社の顧客体験担当のバイスプレジデントに就任したばかりだ。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら