東京で車いすの不便さをトコトン考えてみる 恵比寿の街で健常者が実際に試してみた

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橋爪さん:そうなんですよ。恵比寿新聞さん。車いすユーザーさんや補助犬ユーザーさんがいつも心に持っている「すみません」の気持ちがいつの日か社会がちゃんと理解して「ありがとう」に変わればいいなと思っているんです。

恵比寿新聞:僕もそうなる道筋が見えてきたように思えます。今回は「車いす」でしたが「補助犬」の現在の状況ってどうなんですか?

橋爪さん:2002年、国は不特定多数の人が出入りする飲食店や病院やお店などに盲導犬、介助犬、聴導犬の同伴受け入れを義務づける法律「身体障害者補助犬法」を作ったんですね。でもね。

恵比寿新聞:でもね?

橋爪さん:補助犬ユーザーの60%が入店拒否の経験があるんです。

周知がされていない。

8月10日恵比寿amuで開催された、「伝える人になろう講座」“補助犬を知っていますか”のときに登壇いただいた盲導犬ユーザーさん、聴導犬ユーザーさんからこんな話があったんです。

■実際にあったこと

・保健所からダメと言われたと拒否

保健所から動物の入店は衛生上だめだといわれているので、という返答で拒否。しかし特殊な「運転免許」ぐらいの試験をパートナーと補助犬が受けて、衛生的にも非常にきれいに管理されている。

・入店はできたものの端に座らされる

拒否後しっかりと説明をして入店はできたものの、お客さんのいない一番奥の席に通される。なんだかさみしくなった。

・行きつけの店から拒否

行きつけの店の大好きなパスタ屋さんから突然「入店できません」と言われる。お客様からクレームが入ったからだそうです。

優しい無視

聴導犬ユーザーの東さんからこんな話がありました。

東さん:補助犬は見た目も普通の犬と変わりません。ちゃんとわかりやすく「盲導犬」とか「聴導犬」とか「介助犬」と書かれているのです。よく「かわいい~」と普通の犬のようにかわいがってくれるのですが、聴導犬はわれわれの耳となって働いてくれています。遊んでもらうと仕事ができなくなるんです。なので本当に申し訳ないのだけれども、できるだけ犬には温かく見守るように「優しい無視」をしてください。

補助犬全般に言えるこの「優しい無視」。ついかわいいから、よしよししたくなっちゃいますよね。補助犬はパートナーを守るためにかなり仕事に集中しています。

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