輸入代金払われず、キューバ貿易が停止に
キューバ共和国が日本に対する輸入代金を支払えない事態に陥っている。日本企業が決済に利用するキューバ国立銀行からの代金支払いが滞り始めたのは6月ころ。独立行政法人・日本貿易保険は8月5日、同行の貿易保険の扱いを停止。11日には同行と中央銀行の首脳が来日、「国としての決済資金が足りなくなった」との説明があった。このため15日には非常事故を適用。被保険者は約10社で債権額は200億円弱。大手商社は「かなり前から直接取引はない」ため、中堅中小商社がほとんどだ。
その一つ、明和産業は医療機器などの代金約9億円が取り立て不能になった。ただ、貿易保険で97・5%カバーされるため、「為替次第だが損益計算書上は影響が出ない」。キューバはソ連崩壊後にも輸入代金の支払い遅延が発生。8年前に約130億円を10年程度で繰り延べ払いすることで合意、貿易保険の引き受けも再開されていた。今回は「資源高で経済が苦しくなったのではないか」(外務省中米カリブ課)とみられる。
(山田雄大 =週刊東洋経済)
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