34歳年収650万女性看護師が貯金ゼロの理由 原因は「ストレス解消買い」だけではなかった

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その悩みとは、同棲中の彼氏のことです。彼氏はすぐに仕事を辞めてしまう癖があり、デート代はもちろん、なんと生活費のほとんどをKさんが負担しているとのことでした。しかも、直近は再び無職となり、「次の仕事を探す気配もない」と言います。Kさんは、彼氏を放っておくことができず、つい身の回りの世話だけでなくおカネまで面倒を見てしまっていました。

私たちのファイナンシャルプランナーの事務所の顧客の中には、実はKさんのような看護師さんが少なくありません。もちろん、看護師がそうだというわけでは絶対にありませんが、おカネにだらしない、いわゆる『「ダメンズ』とお付き合いをして悩んでいる方が少なくないのです。「看護師さんが」というより、もともと人のお世話をすることが好きな方の中には「尽くすタイプの方」が多く、その優しい心が、結果として「ダメンズ」を引き寄せてしまうのかもしれません。

おカネにだらしない「ダメンズ」と付き合えるか?

Kさんの彼氏のように、こうした「ダメンズ」と付き合ってもいいのでしょうか。また付き合うとしても、彼氏のダメンズぶりを改善することはできるのでしょうか。ハッキリ言えば、ダメンズを改善するのは難しいかもしれません。しかし、自分の価値観や将来のことなどを彼に話し、自立してもらえるよう、一度、真剣に彼と向き合うことが大切だと思います。

とはいえ、他人の行動を変えることはなかなか難しいものです。まずは、「自分から変わる」ことから始めましょう。

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Kさんに聞いてみると、彼氏は買い物が大好きで、結局は、なんとなく彼氏の買い物に付き合っていることも少なくないそうです。その延長線上として、Kさんがほぼすべての買い物代の支払いをするのは半ば当たり前になっていました。そこで、Kさんには、休日に買い物に行かずに、彼氏と自然の中で過ごしたり、読書をしたりと、本来Kさんがしたいことを軸に過ごしてみることを提案しました。そうすれば、本当の意味でストレス解消ができたり、彼との関係性も変わったりするかもしれないからです。

今回のKさんのように、「まったく貯蓄できないところ」から「貯蓄できるところ」へと変わるには、意識を変え、行動につなげるしかありません。そして、行動する前に自分の胸に手を当てて「これは自分の価値観に合っているのか」を確認することがとても大切です。

高山 一惠 ファイナンシャルプランナー(CFP)

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たかやま かずえ / Kazue Takayama

株式会社Money&You取締役。2005年に女性向けFPオフィス、株式会社エフピーウーマンを創業、10年間取締役を務め退任。その後、(株)Money&Youの取締役就任。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場「FP Cafe」を運営。全国で講演活動、多くのメディアで執筆活動、相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評。著書は『やってみたらこんなにおトク!税制優遇のおいしいいただき方』(きんざい)、『税金を減らしてお金持ちになるすごい!方法』(河出書房新社)、『パートナーに左右されない自分軸足マネープラン―ひとりでも生きていける力を身につけよう』(日本法令)など多数。

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