車掌なりきり「京急カラオケルーム」の本気度

車内を再現した室内で「ドアを閉めまーす」

京急電鉄広報部の大久保美里さんによる「模範歌唱」(筆者撮影)

筆者が歌い終わったあと、京急電鉄広報部の大久保美里さんが「模範歌唱」を示してくれた。大久保さんは、もともと車掌をやっていたとのこと。聴いていると、本当に車掌をやっていただけのことはあって、マイクを横に持ちアナウンスを歌う姿はきりりとしており、「歌唱力」は抜群。しかも、運転士の喚呼のタイミングもバッチリだ。締めには英語アナウンスもあり、こちらも上手に歌いこなした。

大久保さんによると、「運転士と車掌の掛け合いにするというのがポイントです。運転士ははきはきと、車掌は聞き取りやすいように歌うのがコツです」とのことだ。「自分の思っているように歌っていただければと思います」とアドバイス。大久保さん自身は、「自分が普段やっていた放送なので違和感はありません」という。

新規顧客開拓へ「鉄道」に注目

そもそも、鉄道カラオケはどのようにして生まれたのか。

ジョイサウンドを展開する通信カラオケ大手、エクシングの伊藤秀樹さんは、「新しいお客様をカラオケに呼んでこないといけない」という狙いでこれらのカラオケを考案したという。きっかけは、エクシング子会社のテイチクエンタテインメントが、鉄道に関するDVDやブルーレイディスクを数多く発売していることにあった。映像も、テイチクが発売している列車の前面展望DVDを基にしているという。

実際には録音放送の英語アナウンスも「歌詞」に入っている(筆者撮影)

鉄道カラオケの第一弾となったのは京急だ。カラオケでの使用について京急に話を持ちかけたところ、京急は快諾。テロップの監修も京急によるもので、「その際の京急の指示は細かかった」と伊藤さんは言う。「普段はカラオケに来ない鉄道好きな人も妥協しないものを」という考えで、アナウンスの文言など細部までこだわったカラオケづくりに取り組んだ。

では「京急電鉄カラオケルーム」を品川につくったのはなぜか。今回のジョイサウンド品川港南口店をはじめ、全国にカラオケ店を展開するスタンダードの尾崎智則さんは、「品川だと京急に協力していただけるからです。また品川は当社の基幹店であり、京急の起点でもあります。新幹線や羽田からのアクセスもいいので、全国の人々に使ってもらえればという思いで品川につくりました」という。

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