「ブラック企業は即刻辞める」が超重要な理由

「週休3日」は働く人の意識改革で実現できる

先に紹介した、事実上週休1日の状態になっている企業の割合が10%を超えていた業界は、建設業や運輸業、サービス業など、どれも深刻な人材難を抱える業界だ。もともと離職率が高いうえに、新規の採用も非常に厳しい。

さらに、建設業では東京五輪に向けて各地で建設ラッシュが相次ぎ、輸送業ではeコマースの普及などで仕事量が増えている。その結果、既存の従業員にしわ寄せが行き、売り上げが伸びれば伸びるほど、従業員の勤務時間や勤務日数がどんどん膨れ上がるという構図にある。

その悪循環を断つべく、週休3日制の導入に踏み切ったのが、佐川急便を傘下に持つSGホールディングスだ。常識的に考えれば「ただでさえ人手不足なのに、週休3日制なんて無理に決まっている」と考え、導入を検討することすらおぼつかないだろう。

ところがSGホールディングスは、あえて逆転の発想をした。人材採用がしやすくなったり、離職防止につながることを期待して、週休3日制の導入に踏み切ったのだ。人手不足が原因で、十分な休みを与えられずに従業員を疲弊させ離職させてしまうのは、会社にとっても従業員にとっても得策ではない。SGホールディングスの週休3日制導入は、極めて合理的な判断なのだ。

「合理的判断」を妨げているもの

ところが、残念なことにそう簡単に合理的な判断ができる企業ばかりではない。では、いったい何がそうした判断を妨げているのだろうか。それが「月休3日」状態を生み出す2つ目の理由、「従業員の私物化」問題である。先月、アリさんマークの引越社のブラックな実態が「ガイアの夜明け」(テレビ東京)で特集されて話題となった。こうした会社がブラック化する原因は、単なる人手不足ではなく、社長や上司がまるで自分の所有物かのように従業員をこき使うことによって、搾取して私腹を肥やそうとしている点にある。

ブラック経営者やブラック上司にとっては、従業員はモノ同然であり、自分の命令に従わない者は不良品だとみなし、数時間にわたって延々と怒鳴りつけ、減給処分や罰金というムチを与え続けることで、考える余力を奪う。彼らにとっては「働き方改革」なんぞどこ吹く風。「働きがいがある会社」にしようなどとは、これっぽっちも思っていない。あくまで、自分たちの悦びが最優先であり、従業員はそのための道具にすぎない。こうした従業員を私物化するトンデモない経営者や上司の存在によって、いまだに多くの人が、長時間労働や休日出勤を余儀なくされている。

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