脱ソニーから3年、「VAIO」は何が変わったか 過去3年で法人向け売り上げが2倍に
たとえば第3の事業として発表したソリューション事業。まずはVR(仮想現実)向けのソリューション事業を展開するという。ただし、ソニー時代のVAIOにはVR関連製品は存在しておらず、彼ら自身がVR技術をそろえられるというわけではない。
たとえば、VRディスプレーなどのハードウエアを商品化して提供するといった、ハードウエアプラットフォームの構築にVAIOが投資するという意味ではないということだ。
しかし一方で、コンピューティングに長くかかわってきた経験から、たとえばVR技術を用いた何らかのサービス、商業施設、あるいはパッケージ化された製品などを立ち上げたいと思っているクライアントに対して、VAIOが持つパートナーネットワークや経験を生かし、最適なパートナーと連携させながら企画の立案から商品、サービスの立ち上げまでをサポートする支援事業は提供できる自信があるという。
今回のVR向けソリューション事業においては、CG制作や空間認識、広告制作など商業施設でのソリューションを提供しているABALに出資。共同で事業を展開する。
VAIOと組むことに意味がある
「何もVAIOでなくとも……」という声も聞こえるが、EMS事業での例にもあるように、”VAIOと組んで事業を構築すること”にインセンティブがあるのだとすれば、ひとつの可能性としてはあるのかもしれない。
B2B2C事業の典型例ではあるが、顧客に商品やサービスを提供する企業が、もっとも上流の企業であるVAIOというブランドを活用したいと考える。そんな事例を生み出していくのであれば新しい形の打ち出しと言えるだろう。
もちろん、EMS事業の利益貢献がまだ小さいように、ソリューション事業もまた立ち上げには時間がかかるだろう。さらにVR以外の領域ともなれば、まだまだ先は長い。当面、パソコン事業がVAIOの軸足であることに変わりはない。
しかし、数年後に3つの柱が機能し始めたなら、VAIOは再び成長への道筋を描けるかもしれない。
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