アウディ、日産が、ゲームに広告を出す理由 自動車メーカー、ゲームで未来の顧客獲得目指す
[ケルン(ドイツ) 22日 ロイター] - 実車を再現したリアル感が特徴の人気レーシングゲームの新作「フォルツァ・モータースポーツ5」は、ゲームソフトメーカーと自動車メーカーの共生関係を示す一例だ。
自動車メーカーは若いゲームファンを魅了し、未来の新車購入者の獲得を図っている。独フォルクスワーゲン(VW)
ゲームのプレーヤーは、現在は金銭的に新車を購入する余裕はないかもしれない。それでもアウディは将来的にブランド・ロイヤルティーを得るために同ゲームのスポンサーとなっている。
フォルツァの新作はマイクロソフト
アウディのプロダクト・プレイスメントの責任者カイ・メンシング氏は「若者だけではない。ビデオゲームのアウディはコアなターゲット層にも届いている」と指摘。「映画と違ってゲームはインタラクティブで、ストーリー展開は前もって決まっていない」と述べた。
一方、日産自動車<7201.T> はソニー<6758.T>の「プレイステーション」向けゲーム「グランツーリスモ」に電気自動車(EV)「リーフ」や、スポーツカーの「フェアレディZ Z34」などを配している。
同社の欧州マーケティング担当のガレス・ダンズモア氏は、「われわれは、レーシングドライバーになる過程を提供している」とコメント。ゲームと連動したレーシングドライバー養成プログラム「GTアカデミー」のファイナリスト、ルーカス・オルドネスがル・マン24時間耐久レースで表彰台に立ったことにも言及した。
日産のデジタル広告費は過去5年で3倍になり、今年は5億ドル(約494億円)を上回るとみられている。これは同社の広告費全体の約4分の1に当たる。
ダンズモア氏は「GTアカデミーは、ゲームコミュニティーをブランドに引き寄せる効果的な戦略だ。今年、100万人がゲーム内でEVを運転した」と付け加えた。