アウディ、日産が、ゲームに広告を出す理由 自動車メーカー、ゲームで未来の顧客獲得目指す

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8月22日、実車を再現したリアル感が特徴の人気レーシングゲームの新作「フォルツァ・モータースポーツ5」は、ゲームソフトメーカーと自動車メーカーの共生関係を示す一例だ。写真は6月、ロサンゼルスで行われた同ゲームの発表イベント(2013年 ロイター)

[ケルン(ドイツ) 22日 ロイター] - 実車を再現したリアル感が特徴の人気レーシングゲームの新作「フォルツァ・モータースポーツ5」は、ゲームソフトメーカーと自動車メーカーの共生関係を示す一例だ。

自動車メーカーは若いゲームファンを魅了し、未来の新車購入者の獲得を図っている。独フォルクスワーゲン(VW) の高級車部門「アウディ」もその一つ。

ゲームのプレーヤーは、現在は金銭的に新車を購入する余裕はないかもしれない。それでもアウディは将来的にブランド・ロイヤルティーを得るために同ゲームのスポンサーとなっている。

フォルツァの新作はマイクロソフトの新型ゲーム機「Xbox One」用として発売が予定されている。ゲームの中では、アウディRS7が風光明媚な旧市街を疾走する。

アウディのプロダクト・プレイスメントの責任者カイ・メンシング氏は「若者だけではない。ビデオゲームのアウディはコアなターゲット層にも届いている」と指摘。「映画と違ってゲームはインタラクティブで、ストーリー展開は前もって決まっていない」と述べた。

一方、日産自動車<7201.T> はソニー<6758.T>の「プレイステーション」向けゲーム「グランツーリスモ」に電気自動車(EV)「リーフ」や、スポーツカーの「フェアレディZ Z34」などを配している。

同社の欧州マーケティング担当のガレス・ダンズモア氏は、「われわれは、レーシングドライバーになる過程を提供している」とコメント。ゲームと連動したレーシングドライバー養成プログラム「GTアカデミー」のファイナリスト、ルーカス・オルドネスがル・マン24時間耐久レースで表彰台に立ったことにも言及した。

日産のデジタル広告費は過去5年で3倍になり、今年は5億ドル(約494億円)を上回るとみられている。これは同社の広告費全体の約4分の1に当たる。

ダンズモア氏は「GTアカデミーは、ゲームコミュニティーをブランドに引き寄せる効果的な戦略だ。今年、100万人がゲーム内でEVを運転した」と付け加えた。

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