「同期の友情」に縛られる若手社員たちの憂鬱 仲良し集団は意外に長くは続かない?

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あなたのご相談を読んで、「なんてかわいらしいご相談」とほほえましく思いつつ、社会人歴25年のおばさんである私は、ちょっとあきれた気分にもなりました。本気で悩んでいるのに申し訳ないけれど、誰に聞いたって、「同期グループに縛られているなんて、アホらしい! すぐにそこから抜け出しなさい」という以外のアドバイスはしないと思いますから。きっとあなた自身もわかっているのでしょう。背中を押してもらいたいだけなのかもしれませんね。

新人時代の「職場の同期」は、言うまでもなく、学生時代の友達とはまったく違う関係です。同じタイミングで同じ会社に入社し、同じ職場に配属されたのは運命的だけれど、自分で選んだ仲間ではないのだから、気が合う人や価値観が同じ人ばかりのはずがありません。

そして、いちばん大事なのは、同期同士で「仲良くする」「グループになる」といったことを、会社は特に望んでいないということです。たまたま、会社にとって必要な人員同士だった、というだけ。「同期同士でつるみすぎる」と困っている会社もあるくらいなのだから、「今年の新卒はみんな仲がいいね」とほほ笑ましく見るレベルを超えてまで仲良くなることなど、全然必要ないのです。

いつまでも一緒にいられるわけもない、刹那的な関係

あなたの同期たちはきっと、その関係に、強い「仲間意識」や「友情」を求めているのでしょう。しかし、あなたがそれに無理に応える必要はありません。もちろん、とても気の合う人と出会って友情が芽生えることもあります。よく言われるような「良きライバル」として刺激し合える関係が生まれることもあります。でも、実は同期も、同僚や先輩・上司と同様に、いつまでも一緒にいられるわけもない、刹那的な関係なのです。

今は、ほぼ立場が同じでも、少し経てば、それぞれの強みや特徴を活かしながらそれぞれが育っていき、それぞれの活躍をするようになります。異動や昇進など自分たちで決められない「人事」で、関係が変わる日も近いでしょう。差がつく、というより、違ってくる、というほうが正しい気がします。仕事仲間としては刺激的な存在になりえても、いつも一緒に行動し、何もかもわかり合える関係であり続けるなんて希有だ、ということです。

私の周囲には、「同期と話しても全くおもしろくない」「愚痴ばかりになって建設的な時間にならない」という人がいる反面、「同期がいるから救われた」「相談事があれば上司より同期にする」と話す人も多くいます。前者の発言はいろいろな世代の人がしますが、後者は圧倒的に若手に多い実感があります。それはある意味、若手社員たちが、同期に対して、マラソンのスタート時にまとまって走っている安心感や一体感に近い思いを抱いているからかもしれません。そして、ゴールに迫るころには、必ずその集団はばらけるのだ、ということにまだ気づいていないだけなのかもしれないとも思います。

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