ヨーカ堂、「ハトマーク」でも浮上しない業績 約12年ぶり復活、セブン&アイのロゴと同居
そもそもハトマークは1972年にイトーヨーカドーの大型看板で使用が始まり、同ブランドを象徴するマークとして認知されてきた。その後、2005年9月に持ち株会社であるセブン&アイが発足したのをきっかけに、看板のマークがセブン&アイの共通マークに変更された。「セブン&アイのロゴマークも誕生から10年以上が経過し、ある程度認知されてきた」(会社側)という点も、今回のハトマーク復活につながった。
業績の”復活”は遠い
ただ、こうしたハトマークの復活とは裏腹にヨーカ堂の業績は芳しくない。ヨーカ堂の2017年度第1四半期(3~5月期)の本業の儲けを示す営業利益は6.9億円(前期比プラス2.8億円)と増益を達成したものの、その中身は地代家賃や水道光熱費など販管費の抑制によるものにすぎない。
既存店売上高に至っては前年同期比3.2%減と厳しい状況が続く。客単価は0.1%減と前期並みを保ったが、客数は3.1%減と客離れに歯止めがかかっていない。足元で課題となっているのが食品部門の苦戦だ。
ヨーカ堂の売り上げの4割以上を占める食品部門の売り上げは前年同期比3.3%減。加工食品や生鮮品、総菜などほとんどのカテゴリーでマイナス基調となっている。現在、三枝社長をリーダーとする食品改革プロジェクトを立ち上げ、オペレーションの改善に着手したほか、生鮮品の鮮度管理徹底やインストアベーカリーの導入を進めている。
ただ、食品改革の取り組みもすぐに効果が出るわけではない。三枝社長はこれまでのヨーカ堂の体質について、「(現場では)トップが言ったことをやっていればいいという受け身の姿勢が、お客様のニーズとの乖離につながっていた」と反省する。こうしたマインドの改善もヨーカ堂の業績浮上には欠かせない。
今後も各店舗のメンテナンスのタイミングで、ハトマークが復活していくことが想定される。三枝社長は「ハトのマークが大事なのではなく、本当に意味があるのは中身が変わること」と強調したうえで、その中で「業績もよくなればメッセージとしてハトに替わる意味は大きい」と語る。
ハトマークの復活だけではなく、業績回復に向けた施策がヨーカ堂の経営陣に求められる。
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