二重国籍疑惑を報じると「差別主義者」なのか 批判者を敵視する蓮舫氏の姿勢は変わらず
そもそも野党第一党である民進党の代表に就任することの意味は、政権交代が起こった場合は総理大臣に就任する可能性があるということだ。では総理大臣は二重国籍保有者でいいのか。現在の日本の法制度は、原則として二重国籍を認めていない。
これを「差別」と主張する人もいるが、国民を代表し国政を担う地位に就くには、厳密なルールが必要であることも事実だ。
戸籍の開示を求めると差別主義者?
たとえばオーストラリアでは二重国籍者が議員になることは憲法で禁じられている、米国大統領になるには「出生による市民権保有者」でなければならない。こうした例を見ても、公務就任権は天賦の人権とはいえないだろう。
米国のバラク・オバマ前大統領は2期目を目指ざそうとした2011年4月、出生地に関する疑惑を払拭するために出生証明書の原本のコピーを公表したことがある。これには1961年8月4日午後7時24分にホノルルで生まれたことのみならず、担当医と18歳だった母親のスタンレー・アン・ダナム氏の署名や、父親が25歳の学生だったバラク・フセイン・オバマ氏で、「東アフリカのケニア」出身であることまで記載されていた。
これは政治家が自身の「潔白」を証明することがいかに重要であるかがわかる例だ。そこには「大統領の私のみならず、一般の人も出生証明書を公表してくれ」という意図があるわけではない。
一方で蓮舫氏は、納得をしているわけではないようだ。国民が蓮舫氏に求めているのは戸籍の開示という行為ではなく、国や国民に対する誠意である。にもかかわらず、7月13日の定例会見で蓮舫氏はそのような国民の声を「差別主義者・排外主義者」と呼んだのだ。オバマ前大統領が出生証明書の公表にあたって、「差別主義者・排外主義者への対応」と発言していれば大問題になっていただろう。
蓮舫氏は自らを「多様性の象徴」と称している。多様性は寛容性を伴うが、この2つはいずれも民進党がキーワードとするところ。だが自分に批判的な勢力を敵視して排除しようとするのは寛容といえるのか。
そもそも蓮舫氏は民進党という政党の代表に相応しいのだろうか。疑念はさらに深まっている。
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