赤字の都バス、「稼げない路線」は何が違うのか 収支で見る、知られざる都バスの正体<下>

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「梅70」はコスト回収のため、始発から終点までの運賃は540円(ICカードは536円)。1日当たりの利用者は2237人にとどまる。沿線の小平や青梅など4市1町が赤字額の3分の2を肩代わりして、何とか存続させているのが現状だ。

儲かるのは鉄道の"空白地帯"

一方、黒字路線は首位の「東22」を筆頭に、同2位の「新小21」、同4位の「都07」など、江東区や江戸川区など都内東部を走っているのが特徴だ。この地域は横の動きである東西にJRや地下鉄が通っているが、縦をつなぐ南北の路線に乏しい。そのため都バスの利用者が多く、高い収益につながっている。

特に、朝方の錦糸町駅には、3分に1本ものペースで都バスが現れる。だが、停留所にはそれ以上のペースで乗客が次々と列を成していた。年間2億円もの黒字を稼ぎ出す「東22」はここから出発する。

朝方は通勤・通学客で混み合うほか、日中でもショッピングモールや運転免許試験場を目指す客が乗りこみ、車内は乗客の体が触れ合うほど混み合う。

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