年後半に1ドル=120円、日本株は一段高へ 直近は来週前半でいったん円安のピークも

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すでにドル円相場は6月の直近安値1ドル=108円台後半から、11日には114円台半ば程度まで上昇しています。上述したように、1-3月期の決算発表期間は円安でしたが、その前の2016年10-12月期(2016年)の決算発表期間は円高(2017年1月19日-2月7日)でした。

さらにその前の2016年7-9月期の決算発表期間は米大統領選挙前後の波乱相場で傾向がつかめませんが、2016年4-6月期(同)の決算発表期間も円高(7月21日-8月16日)でした。筆者が日経平均の次の変化日と予想している7月18日前後から株価の基調が変わるとすると、為替市場の方も18日前後で円安のピークを付け、短期的には円高基調に変わる可能性があるかもしれません。

年内ドル円は120円台、海外の年金筋が「爆買い」も?

では、ドル円相場のチャート分析ではどのように判断できるでしょうか。去年12月に1ドル=118円台の高値をつけたあと、円高方向に上値と下値を切り下げる動きを続けましたが、直近の6月安値は4月の安値を下回らずに現在までほぼ一本調子で円安方向に動いています。

そのため、短期的には25日移動平均線に向けて調整はあるかもしれませんが、5月の戻り高値114.28円を上回りましたので、当面の円安トレンドに変わった可能性が高く、そうだとすれば、いったん上述のように円高に戻ったとしても、年後半にかけては一段と円安に進むことも予想されます。目先の上値メドは115円、年内の上値メドは119.95-120.60円処とみています。

一方、日経平均株価は7月に入ってからは5月、6月に比べ日中の値動きが少し大きくなりつつあります。週足チャートでみると、短期の13週線、中期の26週線、長期の52週線ともに上昇トレンドを維持しています。特に注目は13週線で、4月以降は下落に転じる場面がありましたが、再び強い上昇トレンドになりつつあります。これは中長期の上昇トレンドの中でよくある短期的な調整が一巡したことを意味しており、株価も高値モミ合いから、まもなく一段高が期待できる局面とみています。

例えば、6月の日銀短観で示された大企業製造業のドル円の想定レートは1ドル=108.31円です。これは3月の日銀短観時と変わりません。しかし、ドル円相場は一段と円安方向に向き始めています。ドル円相場の5月の戻り高値超えと同じ日に、日本を代表するトヨタ自動車株が5月の戻り高値を上回りました。

クリックすると、日本テクニカルアナリスト協会のHP(申し込み画面)にジャンプします

これは何を意味するのか?出遅れた株まで買われると上昇相場も一巡するとはよく言いますが、トヨタ自動車の底入れは逆の捉え方をした方が良いのではないでしょうか。短期的に円高方向に調整すれば、輸出関連株の上値を抑える要因にはなるでしょうが、ここからは景況感の改善によって企業業績への期待(1株利益の上方修正期待)につながり、今でも株価収益率などの面から割安といわれる日本株を爆買いする「黒船」(海外の年金基金など)が出てきそうな気もしています。

さて、私が所属している非営利の団体・日本テクニカルアナリスト協会(NTAA)では、「テクニカル分析について学びたい」という読者の方々のためにハンドブック(初級編②)を作成しました。前回大好評をいただいた基礎編、初級編①に続く3冊目になります。無料で配布しておりますので、興味のある方は、NTAAのHPからぜひお申し込みください。なお、基礎編、初級編①はNTAAのHP内(出版事業をご参照)で読むことが可能です。

東野 幸利 国際テクニカルアナリスト

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ひがしの ゆきとし / Yukitoshi Higashino

DZHフィナンシャルリサーチ 日本株情報部長。証券会社情報部、大手信託銀行トレーダー、大手銀行などの勤務を経て2006年に入社。マーケット分析やデリバティブ市場のコンテンツを担当。IFTA国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)、国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)教育委員、日本テクニカルアナリスト協会理事なども務める。
 

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