安倍自民、大敗で狂う「総裁3選」「20年改憲」

7月に党・内閣改造の前倒しも「両刃の剣」

前回自民全勝だった7つの1人区は今回「小池VS自民」の構図となったが、自民は島部の1議席を維持しただけで完敗した。15の2人区でも都民ファーストの公認・推薦候補が全選挙区で議席を獲得し、小池氏と選挙共闘した公明や「東京・生活者ネットワーク」も合わせると台東、渋谷両区など7選挙区での2議席独占を許し、3~8人区も含めて多数の「自民ゼロ選挙区」が出現した。

なかでも中野区の川井重勇都議会議長と、北区の高木啓都議会幹事長という自民都連の大幹部の落選が、自民に吹いた逆風の強さを浮き彫りにした。川井氏は昨夏の都知事選直後の当選挨拶で小池知事との握手を拒否したことなどが敗因と受け止められている。都議会のドンと呼ばれた内田茂元自民都連幹事長の地元の千代田区でも、内田氏が推す女性候補が都民ファーストの新人男性候補に惨敗し、内田氏も「完全に過去の人」(自民幹部)となった。

敗因は「THIS」だが、主犯は「A」

都議選の結果分析でも党派別得票率では都民ファーストが33.68%で断然トップ。自民党は22.53%と前回選挙から14ポイントも減らした。各党の獲得議席をみると、公明党は23議席で7回連続での公認候補全勝を果たし、自民党と同議席で都議会第2党を維持した。都議会であえて自民党から離れたことが奏功した形だ。国政での野党組では共産党が19議席と2議席伸ばす一方、民進党は2議席減の5議席と低迷した。ただ、都議選前に離党者が続出した民進党は一時、「議席ゼロ」もささやかれていただけに「それなりに存在感は示せた」(幹部)と胸をなでおろし、蓮舫代表も続投の構えだ。

注目された投票率は51.28%で、前回2013年の43.50%を7.78ポイント上回った。ただ、民主党政権の誕生につながった2009年の54・49%よりは3ポイント超下回った。選挙専門家は出口調査などから「閣僚や自民議員のあきれた言動に自民党支持者が棄権したことが投票率の大幅上昇を阻んだ原因では」と分析する。首相に代わって「自民党の顔」として都議選応援の主役を務めた小泉進次郎党農林部会長が「大逆風は自民党自らがまいた種」と指摘したように「小池旋風よりも自民党の自滅」(自民幹部)が今回都議選の実態といえそうだ。

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