北朝鮮の「核攻撃」を封じる3つの具体策

開発自体をやめさせるのは難しい

ここにまた、米国が過去から学ぶべき教訓がある。

危機が制御不能になりつつあるのであれば、米政府はすぐに行動できる仲介者を用意しておかなければならない。インド・パキスタン紛争における米国の仲介は大変効果があったことが証明されている。金正恩について言えば、米国は中国政府に対して、必要に応じて仲介的役割を果たすよう要請する必要があるだろう。

「内密者」をうまく使うべきだ

そして次に、トランプ大統領と文大統領は、解決策へ導くためのパイプ役として、内密の関係者を活用することも考えるべきだ。キューバ危機の際、ソ連は裏チャネルとしてモスクワに滞在する米国人ビジネスマンと、ワシントンから派遣されていたABCの特派員を利用した。ケネディ大統領はアナトリー・ドブルイニン露大使に圧力をかけるため、弟のロバート氏を頼った。

北朝鮮について言えば、米国はトラックII外交を経験した元米当局者に協力を求めるかもしれない。または、元大統領を経験した人物に非公式に、自身が持つ北朝鮮とのコンタクトを利用する「許可」を与えるかもしれない(ビル・クリントン元大統領が1994年の寧辺原子炉危機の際にジミー・カーター元大統領に与えたように)。

もうひとつ、平壌に米政府高官を送り解決の道を探るという手もある。それは、1969年にロシア政府が中ソ対立を阻止する土壇場の試みとしてアレクセイ・コスイギン首相を北京に送ったのと同じことだ。この試みは成功している。

北朝鮮に核を放棄させることができるという考えは幻想だ。が、それと共存する具体的な計画を立てられるかは、われわれ次第だ。今こそそのタスクに取り掛かろうではないか。

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