トヨタが負けを認めた「ダイハツ流」の底力 奥平新社長が語るコンパクトカーの技術革新

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ダイハツは、こうした考え方を導入した軽自動車の第1弾を2020年までに投入する。その後、AセグメントやBセグメントといった軽より大きいコンパクトカーにまで適用し、アジアの新興国に広げていく考えだ。

グローバル化と並ぶもう一つの課題が、電動化や自動運転といった次世代技術の導入だ。奥平氏は、「まずは既存の内燃機関やトランスミッションのレベルアップが必要。そのうえでCO2(二酸化炭素)排出量を削減したり燃費をよくしたりしようとすると、電動化は避けて通れない」とする。

先端技術の導入はコストとのバランス

奥平総一郎(おくだいら・そういちろう)/1956年生まれ。1979年東京大学工学部卒、トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)入社。東富士研究所長、技術開発本部長などを経て、2017年6月から現職。

だが、技術開発はそう簡単ではない。「トヨタは電動化システムを持っているが、それを軽自動車にまで広げるのは無理がある。軽やコンパクトカーにとって適切な電動化の解を見つけていきたい」と奥平氏は話す。「先進技術をみんなのものにしていくのがダイハツの役割。開発が難しく価格の高い技術を、お客さんにとって価値がある水準までコスト低減していく必要がある。または、低減できるアイテムから順番に入れていく」(同)。

また自動運転については、「まずは衝突回避支援システム『スマートアシスト』の改良を進めていく。将来はトヨタの技術陣とともに勉強していきたい」とした。

「ダイハツらしさをしっかりと磨き上げてほしい。トヨタと同じことをするのではなく個性を発揮してほしい」。トヨタの豊田章男社長は、奥平氏のダイハツ社長就任に当たって、そう声をかけたという。再びトヨタ出身の社長に戻るダイハツ。トヨタグループの新興国向け小型車という大きな使命を担う中、新たな道でのハンドルさばきが注目される。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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