トーンモバイルはなぜ「1機種1プラン」なのか 「無印良品」に学んだ格安スマホの戦略
――そんななかで「1機種1プラン『これでいい』」。その「これでいい」というこの端末は、どういったものなのでしょうか?
やはり「これがいい」ということと「これでいい」というのは大きく違うと思うんですね。「これでいい」というのを日本のブランドとして世界で最初に認知されたのが“無印良品”だと思います。
“無印良品”のモノというのは、すごくシンプルで、でもひとつのモノに対して1機種か2機種ぐらいしかないです。「やっぱりこれで十分だね」というものがスマホの世界にはなかったので、そういう“無印良品”のように、非常にシンプルで優れていて「これでいい」というものを作ってみたくて作りました。
――一方でスマホ市場は本当に競合が激しいと思うのですが、販売ターゲットについてはどうお考えでしょう。
今、スマートフォンを持たれている方というのは、どんどん増えてきているんですが、2013年のときは4割ぐらいの方しか持っていませんでした。我々は初めてのスマートフォンを持っていただきたいということで、もともと携帯を持たれていなかったお子様、それから“ガラケー”を使われていたシニアの方々というのをまずターゲットにして、そしてその家族というところにかなり絞り込んだかたちで展開をしています。
「1機種1プラン」に絞ったワケ
――ターゲットも、そして1機種1プランとかなり絞っていますが、すごく勇気がいりますよね。
大手キャリアが3社ありまして、格安スマホといわれている会社は600社ぐらいあります。例えばその600社が10プランずつ提供しているとすると、世の中に6000プランも出てしまってマーケットで選べなくなっているんですね。そこで我々はシンプルなものに絞り込み非常に選択しやすいということで好評いただいています。
――絞る先というのは色々な選択肢があるわけで、そこから1機種1プランというところで、絞るのがすごく難しいと思うんですよね。なぜ、この1機種1プランになったんですか。
まず1つはですね、これ画面が違うと思うんですが、1機種でお子様でも、僕のようにIT企業家でも、そして高齢者でも画面が変わることによって、すべてのマーケットをフォローできるようになっています。
またプランというのも何ギガ、何ギガ…入会前に何ギガまでいくらといわれて分かりますか?
――自分がどれだけ使うか、なかなか把握するのは難しそうですね。
そうですよね。だから動画を除いてすべてのものが1000円定額で使える、本当に1000円しかかからないんですね。そういうところが一番大きなポイントで動画を見るときだけ、1ギガあたりプラスアルファで300円を支払っていただく、後から支払えるところが一番評価を得ました。買う前に全然悩まなくていいというのが一番大きなポイントですね。