韓国の大統領選に「泡沫候補」が乱立する事情

供託金3億ウォンを失うかもしれないのに…

韓国国民党のイ・ギョンヒ候補は、泡沫候補8人の中で最も資産が多い候補だ。そのため、3億ウォンも彼にとっては、取るに足らないカネとなった。イ候補は「私は事業家。民族統一大統領ビルという不動産のデベロッパーとビル賃貸業をしている。選挙費用には困らない」と述べた。

さらにイ候補は、文候補、洪候補と同じ、16ページからなる公約集を作成。他の有力候補である安、劉、沈相奵(シム・サンジョン)候補(正義党)の8ページと比べると、倍の厚さの公約集となった。公約も多岐にわたり、評価を受けている。イ候補は「統一こそ答えだ」というメッセージを国民に知らせるために立候補したと言う。

「3億ウォンには腹が立つ」

「3億ウォンには腹が立つ」と憤るのは、弘益党のユン・ホンシク候補である。というのも「政治をするのに(供託金を出すなど)カネで壁を作ること自体が理解できない」ためだ。「支持者から10万ウォンずつ出してもらい、ほかにも募金箱を用意して、それから3億ウォンを出した」と吐露する。資金がなかなか集まらず、立候補届け出の締め切り直前になって、ようやく立候補を済ませたという。「新生政党から候補を出し、良心を訴えながら1%だけでも得票率を得られれば、新たな政治文化を開くことも可能だ」と言う。

無所属候補のキム・ミンチャン氏は、「供託金3億ウォンさえ出せば、それ以上カネはかからないと思っていた」と、今でも戸惑った表情を見せる。選挙広報やポスターなど、すべてを中央選挙管理委員会が無償で制作してくれると思っていたという。

そのため、キム候補は費用を節約するため、ポスターなど広報物をモノクロで作成した。しかも、1ページのみ。ここまでやったら後にも引けず、あちこちから助けを求めて何とか選挙戦を戦っていると、苦しい財政事情を吐露する。とはいえ、「この10年間主張し続けてきた、非武装地帯(DMZ)世界文化芸術都市の建設というビジョン一つだけで立候補した」と、アピールポイントを言うのは忘れなかった。

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