ワシントン・ポスト紙取得、ベゾスの狙いは? 金銭的利益は度外視か?

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8月5日、米紙ワシントン・ポストは、米ネット小売り大手アマゾン・ドットコムの創業者、ジェフ・ベゾス氏に主力日刊紙ワシントン・ポストを含む新聞事業を2億5000万ドルで売却することで合意した。写真は昨年11月、ラスベガスで撮影(2013年 ロイター/Richard Brian)

[5日 ロイター] - 米紙ワシントン・ポストは、米ネット小売り大手アマゾン・ドットコムの創業者、ジェフ・ベゾス氏に主力日刊紙ワシントン・ポストを含む新聞事業を2億5000万ドルで売却することで合意した。新聞各社は広告収入と読者数の減少に直面している。

ワシントン・ポストの株価は時間外取引で5%以上上昇し、約5年ぶり高値を付けた。

ベゾス氏はワシントン・ポストのウェブサイト上に掲載された従業員充てのメッセージの中で、「ワシントンDC、また国全体にワシントン・ポストが果たす重要な役割を認識しており、同紙の価値は変わらない」とコメントした。

そのうえで「今後数年でもちろん、ワシントン・ポストに変化がある。それが肝心で、オーナーチェンジの有無にかかわらず起こったことだ」と指摘。「新しいものを作り出すことが必要で、それは試してみる必要性を意味する」としている。

ベゾス氏は今年に入り、ネット上でニュースを提供するビジネス・インサイダーに出資することを発表し、この分野での足がかりを築き始めていた。

エクイティ・インベストメント・コーポレーションの社長、ジェームス・バークスデール氏は、金銭的な利益を度外視した投資ではないか、としている。

ワシントン・ポストによると、ベゾス氏は個人としてワシントン・ポスト紙などの新聞資産を取得する。アマゾンはこの取引に関与していない。

米経済誌フォーブスの世界長者番付でベゾス氏は19位。個人として手掛けている宇宙関連の事業には数百万ドルを既に投じ、今後も投資を予定している。

今回の買収の動機に関する詳細は明らかにしなかったが、2009年に電子書籍端末の「キンドル2」を投入した際、この端末が出版物の再生に役立つかと問われ、ジャーナリズムを救うことに機会を見出していることを明らかにしていた。

ワシントン・ポストのドナルド・グラハム会長兼最高経営責任者(CEO)は「新聞業界がここ数年直面してきた問題により、ワシントン・ポスト紙にとってもっと良い別のオーナーがいるのではないかと思うようになった」ことから売却を決めたと説明。

グラハム氏は、ベゾス氏が新たなオーナーとして好ましいと思う理由として、ハイテクおよび経営面での才覚や、長期的なアプローチを取っていることなどを挙げた。

ワシントン・ポスト紙のほか、エクスプレス紙などの出版事業が売却される。

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