「月曜日の朝は鉄道自殺が多い」は本当だった 最大のピークは日曜夜…週明けにかけて増加

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鉄道自殺が発生した件数を曜日別に調べたところ、最多となったのは月曜日の932件だった。これは2006年度から2015年度までの10年間に全国で発生した鉄道自殺(未遂含む)の曜日別の集計結果。900件を超えたのは月曜日しかなく、月曜以外の平日と日曜日は800件台で、土曜日は最も少ない797件だった。

曜日別の平均は858件で、祝日は考慮していない。1週間を通して極端な偏りは見られないが、月曜日は平均より9%多く、土曜日は7%少ない結果になった。

曜日別の鉄道自殺件数ランキング(未遂含む)
日曜日……821件 (6位)
月曜日……932件 (1位)
火曜日……869件 (3位)
水曜日……844件 (5位)
木曜日……885件 (2位)
金曜日……860件 (4位)
土曜日……797件 (7位)

 

次に、曜日とは無関係に各時間帯の鉄道自殺数を調べると、10年間の合計が最も多くなったのは午後7時台の361件だった。前後する午後6時台(353件)、午後8時台(356件)とともに、鉄道自殺の最大のピークを形成していた。

時間帯別の鉄道自殺発生件数がもっとも多いのは午後7時台だった(2006~2015年度の「運転事故等整理表」をもとに筆者集計のデータをグラフ化)

さらに、午後1時台から午後3時台にかけて、340件、356件、320件と2つ目のピークがある。午後4時台(294件)と午後5時台(318件)には一時的に減少するが、午後6時台から午後8時台にかけて最大のピークとなる。その後、午前6時台には187件といったん減少するが、午前7時台(210件)と午前8時台(219件)にかけて再び増加し、午前9時台以降は午後0時台まで287件、353件、313件、313件と急増する。鉄道自殺は、旅客列車がほとんど動いていない午前2時台と午前3時台は10年間でそれぞれ20件程度だったが、始発列車が動き始める午前4時台に入ると57件になり、午前5時台は一気に225件に増える。

月曜日だけ件数が多い午前8時台

ここで注目したいのは午前8時台だ。午前6時台にいったん減ったあと、再び増える時間帯ではあるものの、午前中のピークである10時台に対して6割程度と少なく、24時間の中でも17番目に鉄道自殺が少ない時間帯にあたる。

しかし、月曜日は様子が違っていた。

曜日と時間の組み合わせを168通り(7日×24時間)作って鉄道自殺の件数を調べたところ、通常は午前10時台にある平日最初のピークが、月曜日だけは午前8時台から始まっていたことがわかった。

曜日と時間を組み合わせた1マスで、平日1時間あたりの鉄道自殺が初めて50件を超えるのは午前10時台なのだが、月曜日は午前8時台にちょうど50件に達し、午前9時台と午前10時台も、それぞれ57件、54件とピークを維持していた。

ほかの平日よりもピークが2時間早く、そのまま3時間にわたって続いていたのだ。

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