「短い編成の電車」が走る路線は都内の穴場だ 池上線や方南町支線…一見地味でも便利
この線で有名な駅といえば、メディアでもよく取り上げられる「戸越銀座商店街」の最寄り駅である戸越銀座駅だ。2015年度の乗降人員は1万9746人。ホームから跨線橋や地下道なしですぐに改札があり、商店街にすぐ出ることができる。最近は木をふんだんに使った駅の設備改良で話題となった。駅とホームが一体化し、道路とも直結している路線のためか、ベビーカーや車椅子で乗車する人も多く、地域に根ざした路線であることがわかる。
このように書くとのんびりしたムードの路線に思えるが、実は平日の日中でも1時間あたり10本が運転されている。朝8時台の五反田方面行きは22本もあり、なんと同時間帯のJR山手線五反田駅の外回りよりも多い。短距離の路線で電車も短めとなると地味な印象を受けるが、利便性は高いのだ。
各駅停車の本数は意外に少ない
一方、長い編成の電車が走る大手私鉄の「本線」といえる路線はどうだろうか。戸越銀座駅と乗降人員がほぼ同じ(2015年度1万9974人)駅として京王線の代田橋駅(世田谷区)を見てみよう。
代田橋駅は新宿駅から京王線の各駅停車で2つ目。都営新宿線と直通する京王新線の分岐駅である笹塚と、京王線・井の頭線の乗り換え駅である明大前にはさまれた小さな駅だ。乗降人員は特急に次いで速い「準特急」以下の列車が止まる笹塚(乗降人員7万9406人)、全列車が停車する明大前(同6万0135人)と比べるとだいぶ少ないが、その分、駅周辺は落ち着いた雰囲気が漂う。新宿まで2駅という環境にありながらも静かで住みやすそうなエリアだ。
だが、電車の本数は決して多くない。京王線は平日の昼間でも多くの列車が走っており、特急などすべての種別が止まる隣の明大前に発着する列車は同時間帯でも21本あるが、同駅に止まる各駅停車は上り・下りとも1時間あたり6本。10分おきということになる。
大手私鉄主要各線の、始発駅から1〜3つ目に存在する各駅停車しか止まらない駅の平日日中(12時~14時ごろ)の1時間あたりの本数を比べてみよう。京王線・小田急線・西武新宿線・京成本線・東武伊勢崎線が6本、東急目黒線・西武池袋線・東武東上線が8本、京急本線が9本、東急東横線・東急田園都市線が10本だ。
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