欧州に暗雲、少子高齢化で年金破綻も

出生率低下など難問山積

7月31日、欧州は長期的な経済成長を弱体化させる少子高齢化に直面しており、いずれ年金などの福祉を削減するか、福祉を維持するために増税するかの二者択一を迫られることになるだろう。写真はスペイン南部で5月撮影(2013年 ロイター)

[ロンドン 31日 ロイター] - 欧州は現在、長期的な経済成長を弱体化させる少子高齢化などの人口動態問題に直面しており、いずれ年金などの福祉を削減するか、福祉を維持するために増税するかの二者択一を迫られることになるだろう。

すでに欧州のいくつかの国では、こうした問題が顕在化している。フランスでは現在、140億ユーロに上る年金制度の赤字を抑制する政府の改革案に対し、労働組合がデモを計画している。

一方、スペインも公的年金制度の新たな改革に着手している。バルセロナのエコノミスト、エドワード・ヒュー氏は「何か対策を講じる必要があるとの認識はある。問題は実行のスピードだ」と指摘する。

スペインの年金問題は景気循環の要因もある。景気後退(リセッション)に陥って以降、300万人以上が失業したことで年金保険料の納付が滞った。また、移民問題も年金危機を悪化させる要因の1つだ。外国人労働者50万人以上が2010年以降にスペインを去り、その上、若年層の多くが職を求めて母国を離れている。

ジェフェリーズのエコノミスト、マーシェル・アレクサンドロビッチ氏によると、スペイン、ポルトガル、アイルランドでは、2010年から2013年第1・四半期までに、労働年齢の成人人口が約2%減少した。こうした国では中期的には、年金や高齢化による医療費を誰が負担するのかという問題が浮上すると同氏は指摘する。

悪循環にはまる

スペインはまた、景気後退に加え、過去四半世紀は低出生率で労働市場の新規参入者が減少している。

同国にとってのリスクは、低出生率と若者の海外移住、急速な労働力の高齢化という組み合わせが、経済の悪循環を引き起こしていることにある。アレクサンドロビッチ氏は「リセッションが終わったとしても、ユーロ圏のいくつかの国では、一般に認識されているより打撃は長く残る」との見方を示した。

また、前出のヒュー氏は、労働人口が減少する一方で年金受給者は増加するため、将来の年金受取額の減少に備えて国民は消費より貯蓄に向かうと指摘。その結果、景気回復が阻害されて税収も落ち込むとし、「想像していた以上の年金改革を行う必要に迫られるだろう」と語る。

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