「サラリーマン大家」がハマる3つの落とし穴 ローコスト・ローリスクで儲けるなんて甘い

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サラリーマンという属性を生かした低金利融資のメリットというものもあるが、不動産投資にはそもそも不労所得としての魅力がある。

ただ、投資慣れしていない、しかも初心者のサラリーマンであれば、あまりリスクを冒したくないというのが本音であり、誰もがローコストでかつ、ローリスクな物件で始めたいと思うもの。実はそこに不動産投資の大きな落とし穴が待ち受けている。

特にサラリーマン大家が気をつけたい落とし穴は次の3つだ。

○ 中古物件から始める

○ 高利回りをお買い得と勘違いする

○ ワンルームマンションを所有する

中古物件を買ったはいいがすぐに修繕

「中古」と名の付くものは何でもそうだが、新品・新築・新車などより販売価格が安い。

しかも、すでに中古物件は入居者が入った状態で購入するので、すぐに家賃収入が得られるといったメリットもある。ただ安いものには安いなりの理由があることも忘れてはいけない。「そもそも優良な物件なら大家が簡単に手放すはずがない」と疑ってみることも大事だ。

中古物件の問題としてよくあるのが、すぐに修繕が必要となるような物件を買ってしまうケース。実は中古物件は、設備交換間際に市場に出回ることが多い。つまり、使い倒されたのち売りに出されるというわけだ。

たとえばこんな話がある。あるサラリーマン大家が全部で60室もある中古物件を購入した時のこと。それは、元は社宅として使われていた築30年にもなるRC造の大型マンションだった。しかし、築30年といえばちょうど建物内部の設備(水回りや空調などは大体15年で交換が必要となる)が、2回目の交換を迎える頃。

しかも空室は全体の3分の2もあり、それを埋めるには内部の設備交換も含めた修繕が速やかに必要となる状況だった。すぐに修繕費を見積もってみると、なんと1部屋300万円。単純に60部屋の3分の2として40部屋を修繕したら1億2000万円もかかる計算だ。

それだけあれば、新築のアパートだって買えてしまう。明らかに見通しが甘かった失敗例といえるだろう。

また、中古物件には利回りが10%、12%などというものがザラにある。しかし、これはあくまで満室を想定した利回り。冷静に考えればわかるかと思うが、販売価格が安い、築十数年の物件がいつも満室だなんてことがあるだろうか?

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