新宿駅に着いた客が乗り換える路線はここだ 最多は山手線、だが意外な路線も…

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全路線の乗り換えを合計すると、新宿駅に到着する各線からの乗り換え先としてもっとも多いのはJR山手線内回りで9万5180人。各線から渋谷、品川方面へと向かう人の流れが多いことがわかる。次いで多いのが京王線の7万7665人、3番目が東京メトロ丸ノ内線の池袋方面行きで6万1421人、ほぼ同数でJR山手線外回りが6万1274人と続く。もっとも少ないのは西武新宿線で1385人。同線を利用する場合は高田馬場駅で乗り換えるのが一般的なためだろう。

都心部の大動脈であるJR山手線への乗り換えが多いのは順当だが、新宿から郊外へと向かう路線である京王線への乗り換えが多いのは意外にも思える結果だ。同線と相互乗り入れを行っている都営新宿線は別としても、たとえば埼京線上り(大崎方面行き)や、山手線外回りからの乗り換え先では京王線がトップ。特に後者は小田急線から山手線外回りへ乗り換える人数よりも多い。

では、新宿から京王線に乗り換えた人たちはどこへ向かっているのだろうか。交通センサスの「初乗り・最終降車駅間移動人員表」をもとに割り出してみると、新宿駅に乗り入れる各線から京王線への乗り換え利用者の目的地でもっとも多かったのは、新宿の隣駅である京王新線の初台駅。乗り換え客の3割超は同駅が目的地という結果が出た。

京王新線は都営新宿線と一体で運行されており、郊外へ向かうというよりは地下鉄に乗り継いで新宿エリア内を移動するといった利用目的が多いようだ。だが、初台に次いで多かったのは新宿から約15キロメートル離れた調布駅で、郊外への通勤・通学利用も少なくないことがうかがえる。

池袋駅ユーザーは新宿方面を目指す?

新宿に次いで利用者数の多い池袋駅の乗り換え状況を見てみよう。新宿駅と同様に「路線間の乗換え状況」のデータに基づく数値では、同駅の利用者数は1日あたり片道63万0050人。このうち乗り換え利用者は48万7620人で、乗り換えの割合は77.4%にのぼる。新宿駅に次ぐ巨大ターミナルの池袋駅だが、同駅を目的地としている人は利用者のうち2割強ということになる。

同駅でもっとも多い乗り換えのパターンは、東武東上線からJR山手線内回りへの乗り換えで、5万2349人。次いで西武池袋線からJR山手線内回りが4万7886人、3番目が西武池袋線から東京メトロ丸ノ内線への4万6833人と続く。各路線からの乗り換え先でもっとも多いのは、新宿駅の場合と同様にJR山手線内回りで12万8768人。私鉄2路線の利用者を中心に、新宿・渋谷方面の各駅を目的地としている人が多いことがうかがえる。

交通センサスの「地域ブロック間交通流動の推移」によると、2010年と2015年を比較した場合、埼玉県から都内への流動は都心3区(千代田区・中央区・港区)へ向かう人数が約30万8000人から約28万9000人へと減少しているのに対し、副都心3区(新宿区・豊島区・渋谷区)へは約19万人から約20万5000人へ、そのほかの区へは約30万6000人から約33万2000人へと増加。さらに多摩地区へも約4万9000人から約6万人へと増えている。

乗り換えのデータで見えてくる人の流れ。都心部では品川や渋谷など各地で大規模な再開発計画や駅の改良計画があるが、これらの進展によって乗り換えルートも変わっていくかもしれない。利用者の側としては、少しでも混雑緩和につながる進化を望みたいところだ。

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