異例づくしの東芝、本決算を乗り切れるのか

監査法人は「意見不表明」、決裂は決定的

しかし、本決算を乗り切るのは簡単ではなさそうだ。信頼関係が壊れた以上、PwCは本決算前に東芝の監査を辞任する可能性がある。4月11日の会見で監査委員会の佐藤委員長は、そうした可能性を問われ、「いろんな選択肢を検討していく」とした。

だが、仮にそうなった場合、新たな監査法人を見つけられなければ、東芝は「監査報告書を付した有価証券報告書を提出できない」という上場廃止基準に抵触する。そうなれば、上場廃止がより現実味を帯びてくる。

監査法人とどう関係修復するか

つまり、東芝は新たな監査法人を早急に探すか、現在の監査委員会を即刻解散し新たな監査委員会を立ち上げるなどしてPwCあらたとの関係修復を急がなければならない。

2カ月遅れた決算でも信頼を取り戻すことはできなかった(撮影:尾形文繁)

ただ、新たな監査法人を探すとなると、大手ではあずさ監査法人くらいしか残っていないが、交代したばかりのPwCあらたがここまで態度を硬化したことを考えると、また意見が対立する懸念はぬぐえない。

かといって、不正会計を見抜けなかったことで交代したばかりの新日本監査法人に今さら泣きつくわけにもいかない。別の大手であるトーマツは、佐藤委員長の出身母体であるほか、子会社のデロイトトーマツコンサルティングが新日本監査法人対策を助言していたり、2015年に不正会計を調査した第三者委員会で同じく子会社のデロイトトーマツフィナンシャルアドバイザリーの会計士76人が調査を補助するなど、過去の東芝との関係が深すぎて具合が悪い。

そう考えると、監査委員会を即刻解散し、PwCあらたに求められるがままに証拠資料を提供し続ける方が現実的かもしれない。ただ、監査委員会の委員のなり手探しに苦労しそうだ。

東芝の本決算発表期限は5月中旬に迫る。今度は定時株主総会を6月下旬に控えているだけに何度も延期するわけにもいかないだろう。上場廃止の危機に瀕する東芝に、残された時間はそう多くない。

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