米軍がシリア空爆、トマホーク50発以上発射 化学兵器使用への報復
ロシア外務省は7日、米軍によるシリア攻撃について討議するため、国連安全保障理事会(安保理)の緊急会合開催を求める声明を公表。シリアの領空における米国との安全協定を一時停止すると表明した。「米国がかくも無分別な行動に訴えるのはこれが初めてではなく、既存の問題を悪化させ、世界の安全保障を脅かすだけだ」と非難した。
西側諸国は、シリアのアサド政権が北西部のイドリブ県で化学兵器を使用したとして批判しているが、ロシアはこの疑惑を否定。米軍のミサイル攻撃がこの事件の前から準備されていたことは明白だと反論した。
米国防総省の報道官は6日、米軍がシリア空軍基地への攻撃について事前にロシア軍に通知し、ロシア軍が駐留しているとされる場所を攻撃しなかったことを明らかにした。シリアでの過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦の際に衝突事故を防ぐために設置していた連絡手段を通じて連絡を取ったという。
また、中国外務省は7日、米国のシリア攻撃を巡り、シリア情勢のさらなる悪化を防ぐことが喫緊の課題との認識を示し、すべての関係当事国に政治的解決を重視するよう呼びかけた。
攻撃は「1度限り」
今回のミサイル攻撃について、米国防当局者は「1度限り」と述べ、現時点では第2弾の攻撃を行う公算は小さいことを示唆した。当局者はロイターに、ミサイル攻撃は、内政に照準を合わせているトランプ政権の方針転換を示唆していないとの見方を示した。
シリア政府軍の司令官は7日、米国のミサイル攻撃で6人が死亡し、甚大な被害が出たと明らかにした。同司令官は声明で、米国の攻撃を「あからさまな侵略」行為と述べ、米国はイスラム系過激派組織「イスラム国(IS)」などの「テロ組織」の「パートナー」になったと非難した。
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