英国EU離脱で最も影響を受ける国はどこか

EU離脱通告後の英ポンドは買えるのか

なお、英国のEU離脱によって経済的な影響を受けそうな加盟国を分析していくと、アイルランド、オランダ、ベルギーなどの名前が浮かび上がる。

たとえば輸出先としての英国や直接投資の拠出国としての英国、移民供給元としての英国などの観点で評価した場合、どの項目も目立って大きいのがアイルランドである。

たとえば、各国輸出に占める英国の割合(2015年)で見ると、ベルギーの約9%、オランダの約10%に対してアイルランドは約14%である。また、英国から受け入れている直接投資(対GDP、%、12年)で見ると、ベルギーが約13%、オランダが約26%であるのに対してアイルランドは約31%である。

さらに、移民供給元としての英国という観点では受け入れ国の対人口比(2015年)でアイルランドは約5%を占めており、これはEU加盟国の中では2位のスペイン(0.67%)を突き放している。こうした数字を見ると、仮にアイルランドの首都ダブリンがシティの「おこぼれ」を享受できたとしても、実体経済への下押し圧力で相殺される展開のほうを強く懸念すべきだろう。

「見せしめ」となる通貨を買えるのか

離脱通告後のポンド相場はどう見るべきか。コンセンサスが移ろいやすい為替市場において、過去1年間、「ポンドとメキシコペソは買えない」という論点は揺るぎないものであり、実際、それは正しい見方だった。

だが、ここにきてそうした流れが変わる雰囲気も出始めている。3月16日にイングランド銀行が開催した金融政策委員会(MPC)ではフォーブス委員が0.25%の利上げを主張したうえで、その他メンバーも「経済活動やインフレ率が幾分かでも上振れれば、緩和の早期終了が正当化される」との見解を示したことが判明し、ポンド相場が急騰した。こうしたMPCの雰囲気は、昨年来の物価上昇について、必ずしもポンド安要因だけではなく、内需の復調も受けたものとの見方を反映しているもようである。

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