ついにデフレ脱却? 物価上昇に継続の兆し 期待インフレ率重視に手応え
[東京 26日 ロイター] - 6月全国消費者物価指数(生鮮食品除く、コア)が1年2カ月ぶりに前年比プラスに転換し、日銀は期待インフレ率が上がり始め、物価上昇の勢いが継続する兆しが見え始めたと手応えを感じている。
ただ、デフレになじんだ人々の物価観が本格的に変化し、多方面で価格転嫁が円滑に進むのか、疑問視する声があるのも事実。期待という数値で捉えることが難しい要素をテコに、物価上昇を実現していくという日銀のチャレンジが問われるのは、これからだろう。
コアコアCPIもマイナス幅縮小の傾向
日銀内では、6月コアCPIが前年比0.4%上昇したことについて、表向きは「想定通り」との声が多く聞かれるが、長く続いたゼロ近傍から脱却できたことに安堵する声も漏れている。
確かに物価上昇のウエートを見ると、エネルギー関連や輸入食品など寄与度が高いが、内閣府が公表した6月のコアコアCPI(総合から 生鮮食品、石油製品およびその他特殊要因を除く)は、連鎖基準で前年比マイナス0.4 %と5月と同じ下落幅にとどまり、今年1月の同マイナス0.8%と比較すると、下げ止まり方向への兆しも見える。
テレビのマイナス幅が縮小したほか、ノートパソコンが2カ月連続でプラスとなるなど、長年デフレをけん引してきた耐久消費財の価格に下げ止まりの兆しがみられるためだ。生鮮食品を除く食料や宿泊料やなども下げ幅が縮小している。