パリ男女にとって「下着」は何のためにあるか

妙齢のマダムほど面積の小さな下着を好む

答えは異性に見せて、魅せるため。ただ1人の愛する人のために、ですって。ただ1人? そのときその場にいるただ1人じゃないの? あなた、やるわね。

若い女性の中にはボックスタイプを選ぶ人もいるようですが、一般に妙齢のマダムは表面積のごく小さいものを好みます。エコロジーに関心が高いので、洗剤が少なくて済むことも魅力の1つだそうです。妙齢になればこそ努力する、なんとも頭の下がる思いです。

フランス人の下着は、服を脱いだときのためにある

「日本人にとっての下着は、服を着たときにいかに美しく見せるかであるが、フランス人の下着は、服を脱いだときにいかに美しく見せるかだ」とは、ワコールパリ支店の広報だった友人の言葉です。したがって、フランスではランジェリーに頑丈さを求めません。きゃしゃなレースやシルクのデザインは美しく繊細な作りゆえに、命短く何度もの洗濯に耐えうるものではありません。

一方、わがニッポンの下着は生地も縫製もしっかりしていて丈夫です。品質のよさはメイド・イン・ジャパンの誇り。けれど、一生に1度や2度は、とっておきのシーンのために、手荒く扱ったらすぐにその役目を終えてしまうようなセンシュアルなランジェリーを登場させてもいいのかもしれませんね。

好まれるショーツの色は、白よりもセクシーな黒、あるいはピンク。ともかくカラーアイテムが好まれます。オトナでもまだ白が市民権をもつ日本女子とは色感覚がずいぶん違います。

ムッシューはどうかって? 若い子はトランクスよりもボックスタイプが主流みたいですね。白のブリーフはありえません。

それから男女を問わず――なぜなのかはわかりませんが、ゴー・トゥー・ベッドのときにはすっぽんぽんが多数派です。あ、就寝時のことですよ。

欧米人はパンティストッキングの下にショーツをはかない、そんな都市伝説があります。ふむ、たしかにパンストには独特のマチがある。機能は果たしそうです。パンストの米語はパンティホース(pantyhose)。なにしろパンティですし、ノーパン&ストッキング伝説は事実なのでしょうか。

「フランスは生足文化でしょ。だからそもそもストッキングをはくチャンスが少ないのよ。冬のタイツはあるけれど、ショーツはもちろんはくわ」。トップスタイリストの友人に聞いての答えです。なぁんだ。

補正機能の付いたガードル。これはご年配様専用です。フランス女性にとっては脱いだときのセクシーさとセンシュアリティの発散具合がすべて。ガードルなんて暗黒のコルセット時代の化石です。

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最近では、締め付けのない下着や、ウエストを強調しない緩いアウターデザインが流行してきたせいか、パリジェンヌが全体的に太めになってきたように感じます。

カフェで若い女性を観察していても、くびれがないわ! 国立健康医学調査機構Insermが2013年から3万人を対象に行った調査によると、2人に1人は肥満または予備軍とのこと。『フランス女性は太らない』のベストセラー本もお役御免となって、過去の栄光になりつつあるのかもしれません。

前回、女子力に惑わされない果敢なフランス女性をレポートしましたが(「フランスに『女子力』という言葉は存在しない」)、スタイルの女子力が非力になっては身も蓋(ふた)もありません。悲しくなっちゃいます。こうなったら、ヤマトナデシコのみなさんは頑張りましょう!

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