セクハラも容認?Uberのヤバすぎる企業文化 元社員の告発で社内が大わらわ
「すべての管理職が同僚と競争し合い、直属の上司をおとしめようとしていた」とファウラーは書いている。「こうした管理職は自らの行動を隠そうともせず、会議で自慢げに話し、部下らにひけらかした」
ファウラーの告発は、シリコンバレーの企業が女性に対していかに不親切かという懸念を強くさせ、ウーバー社内に危機感をもたらしている。同社のトラビス・カラニックCEOは、彼女が告発した被害について内部調査を指示し、取締役のアリアナ・ハフィントンとエリック・ホルダー元司法長官にセクハラ問題と人事部の調査を委ねた。
カラニックはさらに社の内部事情をよりオープンにする姿勢を見せ始め、告発の翌日の20日には、社内の技術者や製品管理、研究職のうち女性の割合は15.1%で、この数字は過去1年で実質的に変化していないと公表した。
さらにその翌日には、全社員参加の会議を90分に渡って行い、カラニックとその他の幹部にはファウラーの告発に驚愕したり、また自分も同じ経験をしたと訴えたりする社員たちから質問や対策を求める声が殺到した。
このような状況になってしまったことを謝罪
会議の出席者5人の証言と、ニューヨークタイムズが入手した会議の様子を撮影した映像によると、カラニックは社員に対してこうした状況を招いたことを謝罪した。
「私は皆さんに、日々、改善していくことを約束する」とカラニックは述べた。「この件の真相解明に全力を尽くす」。
一部の社員は、カラニックの素早い対応を評価した。
「トラビス(カラニック)がすぐに対応したことを嬉しく思う」と、ウーバーのソフトウエアエンジニアのエイミー・ルシードはブログに投稿した。「私たちはこうした問題に取り組むうえでこれまでになく良い状態にある」。
現在40歳のカラニックは、CEOとしてウーバーの社風を築いてきた。ウーバーはカラニックの下、好戦的な手法でビジネスを進め、各地で法律を無視し、ライバル企業に対しては競争の早い段階から批判した。カラニックはあからさまにエゴを見せることもあり、2014年の『GQ』誌のインタビューでは、会社のおかげで女性にモテると語っている。
こうした雰囲気がウーバーの職場全体に広がっている。少なくとも2人の元社員は、2016年に上司や同僚から受けたハラスメント被害をスアン・ファム最高技術責任者(CTO)に報告し、そのうちの1人はカラニックにもメールをしたという。
ニューヨークタイムズが入手した裁判資料によると、ウーバーは幹部からセクハラまたは言葉による虐待を受けたとして複数の国で少なくとも3件の訴訟を元社員から起こされている。一部の現役社員や元社員もウーバーの提訴を検討していると述べた。