ランドローバーは雪道でもこんなに走れる ジャガーとともに試した英国車の悪路走破性

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僕がドライブしたのは、日本でも半年以上のバックオーダーを抱えているというレンジローバー イヴォーク コンバーチブルだ。数ヵ月前に東京で乗ったとき、トルクがたっぷりあって気持ちよく回る2リッターエンジンのよさと、しっかりした足回りと操縦性の機敏さに感心した記憶がある。

驚いたことに雪道でも、このフル4シーター(4人のおとなが乗れる)のフルオープンカーは、じつに頼もしく走ってくれた。

雪道をフルオープンで走る

レンジローバー イヴォーク コンバーチブルは、ほかに類のない洒落たスタイルが特徴的だ。ウェッジシェイプ(くさび形)を強調するボディラインと、力強く張り出したフェンダーがクルマ好きを魅了する。

僕が乗ったクルマは、マッドアンドスノーという雪道用タイヤを履いていたせいもあるが、無茶に飛ばさなければ驚くほど安定していて、リラックスした状態でドライビングが出来た。アクセルペダルは少し重めで、それが逆に繊細な加速と減速が欲しい雪道ではありがたい。ステアリングホイールを通して路面の状況がよく伝わってくるのも頼りになる。

それにこのクルマは、時速48km以下なら走行中でもわずか20秒足らずでフルオープンにも出来る。これもかなり気持ちがいい。まさにスキーやスノーボード、それにスノーモビルを楽しんでる感覚である。

いっぽうジャガー Fペイスも都会的な見かけからは想像しがたいほど、雪道で飛ばせるモデルだった。僕が乗った35t R-Sportは、340ps(250kW)の3リッターV6エンジンに、AWD(フルタイム4WD)という組み合わせ。

雪を踏み固めた圧雪路の直線では、スロットルペダルの力を微妙に調整しつつも多めに踏み込むと、矢のようにまっすぐ飛び出す。小さなコーナーではステアリングホイールを切り遅れないように注意しつつ、右足の動きに気をつかったアクセルワークをする。

多少多めに踏んで車体のリヤが外に出そうになる感覚は、まさに後輪駆動的だ。でもトルクとブレーキを適切にコントロールする電子制御が働いて、簡単に正常な走行ラインへ戻ることができる。乾いた路面でのスポーツ走行と似た楽しみがあるクルマだ。

といってもクローズドの安全なコース以外で、本気でFペイスの動きを堪能するわけにもゆくまい。その意味ではこれは、路面状況に関わりなく安心して運転を楽しめるSUVとして、ジャガーのスポーツカー・メーカーとしてのDNAを如何なく発揮した1台であることを確認するまたとない機会であった。

Fペイス、レンジローバー、そしてイヴォーク コンバーチブル。どのモデルもスタイリッシュでありながら高性能。そこには他車にない大いなる魅力がある。

(文・小川フミオ)

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