「ホームドア計画がない危険な駅」は、どこか 利用者10万人超の全265駅を独自調査し判明

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同案ではハード、ソフト両面から転落防止対策が打ち出された。利用者10万人以上の駅について、①車両の扉位置が一定、ホーム幅を確保できるなどの整備条件を満たしている駅について2020年度までに整備する、①の整備条件を満たさない駅については、②ロープ式などの新しいタイプのホームドアで整備可能な場合は今から5年をめどに整備する、③車両更新時に車両の扉位置を統一する場合は車両更新後すみやかにホームドアを整備する、④ホーム幅の確保が困難、ドア位置を一定化できないといった場合は、「誘導案内の申し出があった視覚障害者に対し、駅員等による誘導案内を実施」「視覚障害者に気づいたら声がけを行ない、誘導案内の希望を確認する」「危険が迫っている場合には視覚障害者が明確に気づく声がけを行なう」といった形で取り組み内容が明記された。

「ホームドアが設置できない駅にはソフト面の対策を徹底的に行なうことによって、視覚障害者のホーム転落は防ぐことができる」と、国交省の担当者は胸を張る。また、ソフト面の対策にとどまる場合も、「放っておくといつまでたってもホームドアが設置されないので、しつこくフォローしていく」としている。

新型車両のドア位置はどうなるか

担当者の口ぶりから意気込みは感じられたが、不十分な点も目立った。たとえば、検討会を重ねている最中に新型車両の開発を進めている鉄道事業者への対応だ。

小田急電鉄は2018年3月運転開始に向け新型ロマンスカーを開発しており、「ドア位置の問題については考慮している」と担当者は語る。一方で、西武鉄道が2018年度の営業運転を目指して開発中の新型特急列車では、「新型車両のドア位置がどうなるかは未定」(広報)という。西武は通勤車両と特急車両のドア位置が異なるなどの理由からホームドア設置が進んでいない。

新型特急のドア位置を通勤列車に合わせれば、設置に向けて一歩前進する。「新型車両を開発する際には、他の列車とドア位置を合わせるよう、鉄道事業者に要請すべきではないのか」。この質問に対する国交省担当者の返答は、「われわれからそこまでは言いづらい」であった。

一般的に役所が民間に口出しするのはよくないことだが、安全にかかわる点については議論すべきなのではないか。また、③の「車両更新時に扉位置を統一する場合」は目標年限が明示されていないことも気になるところだ。これでは結局「いつまで経ってもホームドアが設置されない」ことになりかねない。

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