丸ノ内線「方南町」はこれから大きく変わる 2019年度には6両編成化が実現

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建設中の方南町駅新出入口(左側、筆者撮影)

東京メトロが昨年発表したグループの中期経営計画「東京メトロプラン2018」によると、方南町駅のホーム延伸による池袋方面からの6両編成列車直通運行及び中野坂上駅-方南町駅間の運行形態の見直しを、2019年度に実施予定だという。4年前に発表された「東京メトロプラン2015」では2016年度完成と書いてあったので、作業は遅れ気味だが、すでに一部で工事は始まっている。

方南町駅の出入口は、環状7号線と方南通りが立体交差する方南町交差点角と、交差点から110mほど東に離れた方南通り沿いの2か所となる。いずれも初めて訪れる人は通り過ぎてしまいそうなほど小さく、エレベーターやエスカレーターの用意はない。そこで数年前から、戦隊ヒーロー風のコスプレでベビーカーなどの重い荷物を運ぶ「ベビーカーおろすんジャー」がボランティア活動を実施している。その模様は新聞などでも紹介された。

この状況を改善すべく、交差点付近にもうひとつ出入口を新設することになった。ビルの中に設けられる新しい出入口にはエレベーターやエスカレーターが設置される予定で、ベビーカーおろすんジャーの将来が気になるところだが、多くの人にとって便利になることは間違いない。

出入り口の新設に伴い、現在は線路の延長線上にあった事務室などが奥に移設される予定で、移設後にレールを伸ばし、6両編成の入場を可能とするという順序で工事は進んでいくようだ。

本線直通化で街並みはどう変わる?

方南町支線の6両編成化は、編成統一による合理化という側面もあるが、地元住民にとっては新宿や銀座へ乗り換えなしで行ける利便性がありがたい。ただ一方で、便利になることで庶民的な街並みが失われないか懸念もしている。

方南町駅の出入口(筆者撮影)

方南町は高齢者夫婦が営むパン屋や定食屋など、新宿からわずか5駅という立地からは想像できないほど素朴な店が多い。こうした店の多くは20時頃に閉店するので、22時ぐらいに方南町駅を降りて地上に出ると、地方都市のアーケードのような眺めとなる。駅の改良が完成し、6両編成の車両が本線から直通するようになったとき、この街並みがどうなるかは興味深い。

それを含め、かつては本線として計画されながら、高度経済成長の荒波の中で支線に格下げされた路線が、本線と同格に返り咲こうとしている様子を眺めるのは、貴重な体験ではないかと思っている。

森口 将之 モビリティジャーナリスト

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もりぐち まさゆき / Masayuki Moriguchi

1962年生まれ。モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。著書に『富山から拡がる交通革命』(交通新聞社新書)。

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