丸ノ内線「方南町」はこれから大きく変わる 2019年度には6両編成化が実現
まもなく営団地下鉄に、4号線の荻窪への延伸要望が舞い込む。彼らとしては建設費増大が悩みどころだったが、東京西部の交通問題解決のために受け入れることとした。同時に車庫を建設する土地の西隣にある方南町まで、地域住民の要望に応え伸ばすことになった。
その結果、1961年から翌年にかけて開業した新宿以西の区間は、現在のような丁字型となり、丸ノ内線と直通運転する本線が新宿-荻窪間、支線が中野坂上-方南町間と、主従関係が逆転してしまったのである。線名さえ荻窪線(その後1972年に丸ノ内線に編入)と、荻窪直結をアピールしていた。
当初は荻窪行きが4両編成、方南町行きは2両編成だったが、荻窪線の駅はすべて6両編成規格で設計された。急激に乗客が増加していた丸ノ内線が6両化を進めていたからだ。支線も中野新橋と中野富士見町は、車庫に出入りする車両が客扱いをするので、本線と同じ120メートルが確保された。
方南町駅だけ短いホーム
ところが方南町駅だけは、なぜか110メートルで作られた。丸ノ内線の車両は1両18メートルなので、6両編成でも全長は108メートルにすぎず、「荻窪線建設史(帝都高速度交通営団発行)」によれば110メートルで6両編成列車停車可能とある。しかし実際は終着駅なので車止めなどのスペースが必要となり、現在は本線の6両に対し支線は3両編成に留まっている。
方南町駅はホーム両端に出入り口があるので、どちらからアプローチしても列車まで距離がある。改札の向こうに電車が見えるのに、その電車に乗れないということも何度かあった。
車両は長らく銀座線と同じ形式を色を変えて用いてきており、支線らしさを醸し出していた。現在は本線用と基本的に同じ02系に統一されたものの、外観は細い黒帯が入るとともに、行き先表示はLEDではなく昔ながらの方向幕を採用。車内では座席端の仕切りがパネルからパイプに変わるなど、細部は微妙に異なっており、80番台を名乗っている。
その80番台が行き来する方南町駅では現在、6両編成の乗り入れと本線への直通運転を可能とすべく、改良工事が行われている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら