レクサス、新型「IS」に乗ってみた ハンドルを握って感じた、高級HVの真髄
試乗車に乗り込む前に、車体の周囲を見回してみた。もともと旧型ISのデザインには好感を持っていたが、新型ISはその流れを引き継ぎつつ、さらに洗練されているように感じた。特に後方から見たときに、ボリュームがあり存在感がある。試乗会の後で、レクサスインターナショナルの伊勢清貴プレジデントから、「室内空間を犠牲にしても、あえてグラマラスにしました。無駄かもしれませんが、『一目見てカッコいい』と言われるデザインを目指したんです」という話を聞いて、なるほど、これまでの日本車にはなかなかないスタイルに見えるのは、そういうワケなのかと納得した。
さて、「IS300h」に乗り込み、ほんの20分ほどだが、都内をドライブした。指定された試乗コースは約5kmの一般道。少し広いところで、冒頭のように思い切った運転をしてみた。そのほうがどんな性格の車なのかを、少しでも知ることができるからだ。
記者はかつて某自動車関係会社に勤め、小型車から高級車、スポーツカーなど、さまざまな車種に乗ったことがある。モータージャーナリストのように、乗り味を細かく文章で表現はできないが、一般の方よりも車のことはちょっとだけ詳しい。
挙動の乱れをあまり感じない
あくまでポイントを絞った話でしかお伝えできないが、新型ISのHV仕様は、冒頭のように思い切ってアクセルやブレーキを操作しても、想定したほどの乱暴な運転にならなかったというのが、率直な感想だ。急な加・減速の際に生じるはずの挙動の乱れ、たとえば、アクセルを全開にしたときの急激なGや、急ブレーキをかけた際に車体前方が沈み込む「ノーズダイブ」などを、あまり感じなかったのである。
おそらく初めて味わった、この不思議な“感覚”はいったい何なのか。自分の勝手な思い込みなのか。新型ISは車両本体価格420万~595万円の高級車。普通のサラリーマンなら、なかなか手が出ない金額だ。高級車だからそうなのか。そんな疑問を、新型ISの開発担当者でレクサスインターナショナル製品企画主査の小林直樹氏に尋ねてみた。すると、こんな答えが返ってきた。