女も男も「若さ」を価値に置く風潮にモノ申す 楽しそうにしてる人が、結局いちばんモテる

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スー:年齢を重ねていけば、失われるものは必ずある。だからといって、自分を無理やり女の土俵からおろさなくていいんだよっていうことですね。

野宮:そう思います。

今は似合わないミニスカートも70歳になったら…

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野宮:みんな、人の目を気にしすぎなのかもしれない。自分が何を着たいかよりも、人からいいと思われるファッションを考えちゃうと、わからなくなっちゃう。

スー:「他人から『やめたほうがいい』と思われてるんじゃないかなと考えすぎてやめる服」もある。その辺の折り合いはどう付けてますか?

野宮:客観的に見るようにはしています。例えば、今は顔とのバランスがちょっと違うかなと思うので、ミニスカートは普段は着ない。ライブではたまに着ますけど。でももしかして、70代になったらまた似合うようになるのかなと思ってます。

スー:そこで「卒業」とならないところが、夢のある話ですよね。

野宮:自分より年上でおしゃれな先輩の着こなしを見ていると「卒業」とはならないですよね。

スー:どなたですか?

野宮:雪村いづみさん。今、70代後半なんですけど、とっても声が出るし、音程もいいし、リズム感もいいし、なによりステージで歌うときのシャキッとした立ち姿が素敵なの。以前、とあるライブの楽屋でお会いしたとき、雪村いずみさんの私服が超ミニのワンピースと網タイツだったんです。

スー:私服が!

野宮:あの方、若い頃からずっと脚がきれいなの。中ヒールくらいの金のパンプスを履いていて、すごくかわいらしかった。年をとると、かわいらしさって出てくるじゃないですか。70代でミニスカートを履きこなす雪村さんをみて、自分もいけるかなと、ちょっと楽しみになりました。

スー:海外の女性であこがれの先輩はいらっしゃいますか?

野宮:あんまりいないんですけど、ジェーン・バーキンとか、フランスの女性は素敵ですよね。彼女はイギリス人だけど。フランスって、日本と違って年齢を重ねた女性のほうがモテるじゃないですか。

スー:それ、うわさでは聞くんですけど、本当なのかな。“パリ都市伝説”な気もするんですよ。たしかに、いくつになっても「恋愛をしていたい」って言える空気があるとは思うんですけどね。

野宮:そう。年齢を重ねても、一生女でいる気持ちがあるのよね。

スー:そういう気持ちを全面に出している妙齢の女性がいると、日本だと後ろ指をさされるというか、揶揄の対象になっちゃいますもんね。

野宮:フランス人の男性が、「ボジョレーヌーボーもヴィンテージワインも好きなように、若い子も年齢を重ねた女性も好きだ」って言ってました。

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