テレビと芸能界のもはや隠しきれないタブー

松本人志とフジテレビの勇気ある「告発」

そう思っていたとき、知人から一通のメールが届きました。知人は、「『ぴあ映画満足度 2016ランキング』の1位に選ばれるほど名作の『この世界の片隅に』(2位は『君の名は。』、3位が『ズートピア』)をテレビが扱わないのはおかしい」と激怒していたのです。さらには、「どうせ、のんが主演声優をしているから自主規制しているんでしょ」とあきれていました。やはりテレビ局と芸能界の悪しき商習慣がバレているのです。

視聴者の多くは長年こうした違和感を抱いてきたものの、「うわさレベル」という状態でとどまっていました。しかし、昨年大きな芸能ニュースが続いたため、ネット報道とテレビ報道との決定的な差に確信を持ったのです。

視聴者の多くは大手芸能事務所の名前や力を知っていますし、それらにおもねるテレビ局を批判しはじめています。それどころか、すでにテレビや芸能界に見切りをつけ、ほかのエンターテインメントに時間を割く人も少なくありません。ファン離れがはじまっている状態であり、テレビ局と芸能事務所は共倒れの危機にあるのです。

テレビと芸能界は正直さがマストに

『バイキング』で水道橋博士が、「どこの業界だって商取引のあるところに忖度しなくてはいけないことがある(から大手芸能事務所の意向に沿うのは仕方がない)。だからテレビ局は、報道と芸能を分けてほしい。まったく違う分野だから、別会社でやってほしい」とコメントしていました。「同じテレビ番組でも、報道の会社は正直に、芸能の会社は商習慣をもとに作ればいい」というわけです。

視聴者サイドとテレビ局&芸能事務所サイドの間に入るような、いかにも芸能人識者を思わせるコメントですが、残念ながら現在の視聴者はそのようなすみ分けで納得してくれません。視聴者は「言いたいことは分かるけど、テレビと芸能界は正直にやるべき」「テレビ以外の業界だって、今は誠実さを求められている」と思っているのです。

また、昨年の報道を見た視聴者の間に、「ベッキーやSMAPの謝罪会見を見ても分かるように、どうせバレてイメージが悪くなるのだから、正直であるべき」という見方が定着しました。次々に不倫スクープをした『週刊文春』に「文春こそ正義!」という声が集まったのも、大手芸能事務所の意向を気にしないからにほかなりません。週刊誌業界は『週刊文春』に引っ張られるように、他誌も活気を取り戻しつつあり、今年も昨年同様の報道姿勢で人々の注目を集めるでしょう。

ひるがえってテレビ業界はどうなのか? 昨年9月に、テレビ朝日の社長定例会見で早河会長が、記者から「芸能事務所の影響力は大きいのか?」と聞かれて、「スターは大衆が決めるもの。事務所の影響力で(テレビ局が)右往左往しているように見られるのは残念です。ジャニーズ事務所も芸能プロのひとつに過ぎない」と発言して話題を集めました。

その後、すぐに動きがあるわけではなかったものの、発言そのものが異例であり、テレビ局と大手芸能事務所のパワーバランスに変化が生まれているのは間違いありません。2017年は「テレビ局は芸能事務所の影響を受けない」というコメントを証明できるのか? テレビ業界の姿勢が問われる一年になりそうです。

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