自民・公明「連立」に次々と亀裂が生じている

自民の「傲慢」と公明の「選挙至上主義」が激突

世界的に見れば、連立政権というのは選挙の結果、単独で過半数を占める政党がない時に政権樹立を目指して複数の政党が多数派を形成するために作られるものであって、永続的、持続的な政党関係を指すものではない。あくまでも次の選挙までの政権を作る一時的なものだ。ところが自公連立は、政権運営だけでなく、総選挙を中心に選挙段階から候補者調整、票の配分といった選挙協力をシステム化してしまう世界的には珍しいスタイルの連立となっている。

「選挙協力連立政権」の崩壊は近い?

具体的に言えば、公明党は自民党との選挙協力によって比例区だけでなく、自民党が候補者を擁立しない小選挙区で当選者を出すことが可能になっている。一方の自民党は公明党候補のいない全国の大半の小選挙区で約800万票ともいわれる創価学会票を手に入れることができ、その結果、多数の当選が可能になっている。つまり「選挙協力連立政権」なのだ。

自民党はかつての単独政権時代のように独力で衆議院の過半数を獲得し、政権を維持する力はなくなった。「親自民」の野党勢力は国会運営で自民党を補完することはできても、選挙で公明党と同じような役割を果たすことはできない。自民党にとって公明党は政権維持のために不可欠な存在なのだ。

英国の政治家、パーマストン(1784〜1865年)のよく引用される言葉に「英国には永遠の友も、永遠の敵もいない。あるのは永遠の国益だけだ」がある。政治の世界の冷徹なリアリズムを示した言葉だ。これは今日の政党にも当てはまるだろう。

自民、公明それぞれの個別利益の実現を微妙なバランスの上に成り立たせている連立がいつまで続くのか。東京都議会で起きたことがストレートに中央政界に波及するとは思えない。しかし、自民党が2度の野党転落の経験を忘れ、謙虚で丁寧な政権運営や国会審議を怠り、同時に公明党が党と創価学会の組織を守るために今まで以上に選挙至上主義にこだわると、両党の関係が崩壊するのは必然だろう。

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