「格安スマホ」、知られざる弱点はココだ! 「昼休みの落とし穴」を知っていますか?

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MVNOの通信速度が遅くなりがちな時間帯は、大きく分けて朝の通勤時、昼休み、夕食前、そして就寝前の4つ。これらの時間帯は全国的に多くの人がスマホを利用する傾向が強いので、遅くなりやすいのである。

中でも特に注意しなければならないのは昼休みの時間帯だ。この時間帯は利用者が特に集中しやすく、通信速度が極端に落ちてしまうケースが多い。動画など大容量通信が必要なサービスを利用する場合はこの時間帯を避けるか、自宅や会社などのWi-Fiを活用するのが無難だろう。

MVNOが回線を太くするには携帯会社にお金を払ってより多くの帯域を借りる必要があるのだが、その分借りるコストが多くかかってしまい、通信料が高くなる可能性があるため、容易には解決できない。MVNOのサービスを利用するならば、大手携帯会社のサービスよりも通信速度が落ちやすいことは、ある程度覚悟しておく必要があるだろう。

海外出張が多いユーザーも要注意?

デメリットはほかにもある。特にビジネスパーソンにとって大きな問題となってくるのが、「国際ローミングサービス」を提供しているMVNOが少ないことだ。

楽天モバイルなど一部のMVNOは、国際ローミングの代替策として、海外でデータ通信が利用できるプリペイド方式のSIMを別途提供している(写真:著者提供)

国際ローミングは、海外でも、普段利用しているスマホをそのまま利用できる非常に便利なサービスだ。MVNOも回線を借りる携帯会社と国際ローミングサービスの提供を契約していれば、同様のサービスを提供すること自体は可能だ。実際、音声通話やSMS(ショートメッセージ)の国際ローミングが利用できるMVNOはいくつか存在する。

一方で、データ通信の国際ローミングサービスに関しては、MVNOの仕組み上の問題もあり、提供しているMVNOはエレコムの「SkyLinkMobile」など、極めてごく一部しか存在していないのが現状だ。つまり、海外でデータ通信を利用するならば、空港で海外用Wi-Fiルーターを借りるか、海外で利用できるプリペイド方式のSIMを購入する、あるいは現地でプリペイドSIMを調達するなど、何らかの対策が必要なことに注意されたい。

基本的にMVNOは毎月の料金が安い分、大手携帯会社と比べるとサービスの充実度は低い。サービスやサポートに関して、大手携帯会社とまったく同じ内容・品質を求めようとすると、途端に不満が高まってしまうだろう。サービスを快適に利用するためには、ある程度の“割り切り”と、不足する要素に対処できるスキルや知識を身につける必要があることを、よく覚えておきたい。

佐野 正弘 モバイルジャーナリスト

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さの まさひろ / Masahiro Sano

福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける

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