「反トランプ共和党員」は新政権でほされる? 一部党員の態度は軟化しているが…
米共和党で外交政策を担当してきた重鎮たちは、党内の他の指導部とは異なり、ドナルド・トランプ氏を大統領選で支持しないという立場をとってきた。
ジョージ・W・ブッシュ政権でこの分野を担当した忠実な共和党員の元高官らは、テレビに出演し、新聞に論説を寄稿してトランプ氏を激しく批判した。発表した書簡では「Never Trump(トランプ反対)」というスローガンの下に連名で署名し、「彼は危険な大統領になり、米国の国家安全保障や幸福を危険にさらすと確信している」と主張した。
「Never Trump」から「Maybe Trump」に
一方のトランプ氏は元高官らに対して、へまばかりで先見の明がなく、「政策の失敗と繰り返す敗戦の長い歴史」を作った立役者だと中傷してきた。
トランプ氏が次期大統領に決定し、今後数週間で両者が互いに必要だと決意するかどうかが決まることになる。
元高官の一部は反トランプ氏の姿勢を軟化させている。外交政策に明るくない新大統領に助言を与えるという愛国的な義務からか、政府の中枢からあと何年もはじき出されるのを避けたいからかのどちらかだ。
「Never Trump」というスローガンは、「Maybe Trump(トランプはありかもしれない)」に変わった。しかし、トランプ氏が彼らを受け入れるかどうかは別の問題だ。
トランプ氏はこの数カ月、自分は国の安全保障への貢献の仕方をこの10年で政策を担ってきた誰よりも理解していると豪語してきた。一方で、トランプ氏の政権移行チームはこの分野に関わる組織の何百という役職の人材を選ぶという骨の折れる作業に取り組まなければならない。
問題は、誰がどのポジションに就くかというだけの話ではない。トランプ氏と彼のチームが決定するのは、次期政権の外交政策と、選挙戦で掲げた公約を守るのかどうかだ。トランプ氏は同盟国に対してや外国からの干渉に懐疑的な姿勢を見せ、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領など権威主義的な指導者を賞賛した。こうした見解の中には、元軍人で国防情報局(DIA)の局長も務めたマイケル・フリン氏など、トランプ氏の現在の顧問の一部も受け入れているものもある。