「反トランプ共和党員」は新政権でほされる? 一部党員の態度は軟化しているが…
ボーデン氏はまた、「トランプの政権移行チームは、異を唱えた人々に対してどれほど寛大にすべきか、決断を迫られるだろう」と述べた。
元国務省高官のコーエン氏の呼びかけで3月に発表された反トランプの書簡では、世界における米国の影響力と権力に対するトランプ氏の見解は「一貫性に欠け、指針がぶれて」いて、「1つの文章中で孤立主義から軍事的冒険主義に」変わっていると断じた。その書簡には122人が署名した。
コーエン氏、自らがトランプ政権下で要職に就くとは考えていないという。「私のような人は申し出を受けないだろう」とコーエン氏は言う。「私もそれを望んでいない」。
ブッシュ政権の元高官で現在はデューク大学で教えているピーター・フィーバー氏は、トランプ政権は書簡に署名した人物をブラックリストに載せるだろうと考えている。「書簡に署名した時点で、彼らはそうした犠牲を伴うことがわかっていた」。
外交政策の「公約」をどれほど実行に移すのか
一部の人にとって大きな疑問は、トランプが選挙戦で語った外交政策をどれほど実行に移すつもりなのかということだ。選挙日翌日の9日、トランプ氏は韓国の朴槿恵大統領と電話会談をし、韓国を守るための防衛体制を維持すると述べたという。トランプ氏は3月のニューヨーク・タイムズのインタビューで、韓国と日本が自国の米軍駐留費を拡大しなければ、米軍の撤退も検討すると述べていた。
ディック・チェイニー元副大統領の主任補佐官で国防省の高官でもあったエリック・エデルマン氏は、トランプ氏は大統領として不適格だと繰り返し批判してきた。彼は、自身がトランプ政権に呼ばれることは想像もできず、申し出があっても受けないと語った。
しかし、65歳のエデルマン氏は、安全保障分野の多くの若手共和党議員には柔軟な姿勢で臨むよう助言したという。共和党政権で役職に就く機会が巡ってくるのは何年も先だと思うならなおさらだという。
エデルマン氏は言う。「私のような立場の人間が、若手に対して道徳的な判断を下すことはできない」
(執筆:Mark Mazzetti記者、Helene Cooper記者、Eric Schmitt記者、翻訳:中丸碧)
(C) 2016 The New York Times Nes Service
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