「反トランプ共和党員」は新政権でほされる?

一部党員の態度は軟化しているが…

だが、ブッシュ政権で要職に就いたタカ派が支配する共和党の外交政策担当者は、そのような姿勢を嫌悪している。元国務省高官のエリオット・コーエン氏や、ブッシュ政権の国家安全保障問題担当補佐官だったスティーブン・ハドリー氏などだ。

両者の意見が一致している分野もある。特に対テロ政策については、ブッシュ政権がアルカイダのメンバーとされる容疑者に対して行った水責めなどの残忍な尋問方法をトランプ氏は評価し、「拷問は効果がある」と2月に語っている。ブッシュ政権の元高官の大半は、中央情報局(CIA)が使用したその手法は拷問にはあたらないと主張している。

反トランプを主張した共和党員の扱いは?

9日に大統領選の決着がついて以降、トランプ側と党の外交政策の指導部は少なくとも非公式に接触していると、両者の複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。トランプ氏の政権移行チームを支援している人物によると、チームは元高官らのレジュメをすでに受け取っており、その中にはトランプ氏の外交政策を非難する書簡に署名した元高官らも含まれているという。同時に政権移行チームも、3月と8月に発表された2通の書簡に署名した複数の人物に非公式な申し出を行っているという。

安全保障を担う役職の候補者を検討し始めるうえで、トランプ氏が現時点で頼りにしている少数の顧問の一人であるフリン氏は、この分野の共和党指導部、特にブッシュ政権の元高官らの姿勢を公に批判している。フリン氏は選挙日の直前のインタビューで、米国を「終わりが見えない数多くの紛争」に引き込んだのはこうした人々だと語っている。「トランプ氏が変化を望んでいるのはそこだ」

カリフォルニア州選出の共和党議員で下院情報特別委員会委員長のデビン・ニューネス氏は、政権移行チームは反トランプを主張した人々に甘くはないだろうと示唆した。「多くの人はトランプ氏が候補者になるとは思いもしなかったし、大統領選に勝利しないと思っていた」とニューネス氏は言う。「こうした人々の多くは次期政権で要職には就かないだろう。刷新をはかることができる」

ブッシュ政権で国家安全保障会議の幹部を務めたウィリアム・ボーデン氏は、8月にトランプを批判する書簡に署名した50人のうちの1人だ。彼は、トランプ政権に仕えることを完全に拒否しているわけではないという。

「国を愛する米国人なら誰でも、国に貢献するよう求められたら受け入れるべきであり、どんな役職であろうとも真剣に考慮すべきだ」と、現在はテキサス大学教授のボーデン氏は言う。

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